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【海外FX】ロスカットとは?意味や計算方法、水準などを初心者向けに解説

パソコンでトレードをしている様子

海外FXを始める際、正しく把握しておきたいのが「ロスカット」です。

とくに初心者はこのロスカットの仕組みを知らないと、大きな損失を出すことになりかねません。

そこで本記事では、海外FXにおけるロスカットの仕組みや意味、さらには計算方法、ロスカット水準などの用語から注意事項まで、徹底解説します。

これから海外FXで取引を始める方は本記事をご参考にしてください。

海外FXにおけるロスカットの仕組みや意味とは?用語についてくわしく解説

スマホでトレードする様子

それでは早速、海外FXにおけるロスカットの仕組みや意味を、はじめての方でも分かるように解説します。

ロスカットとはポジションを自動的に決済する仕組みのこと

ロスカットとは、FX取引で一定の水準以上の損失が発生した場合に、投資家が預けた資金(証拠金)以上の損失を発生させないようFX会社によって強制的に決済する仕組みのことをいいます。

「いきなり強制的に決済されたら大きな損をするのでは?」

と心配される方もいるかもしれませんが、FX会社がロスカット前にマージンコールをしてくれます。

ロスカット前のマージンコールについて

ロスカット前に、証拠金維持率の低下を知らせてくれるロスカットの予告のことをマージンコールといいます。

FX会社によっては「アラーム」「アラート」ともいい、事前にロスカットを知らせてくれる警告です。

ロスカットは強制的にすべてのポジションを決済させるのに対して、マージンコールは事前の通告を指します。

FX会社によって異なりますが、証拠金の維持率が50~70%になるとマージンコールがかかる会社が多いようです。

マージンコールはサッカーでいうイエローカード、ロスカットはレッドカードとイメージしてください。

メリットは損失の拡大を防ぐこと

金貨と紙幣

ロスカットの最大のメリットは投資家を保護してくれることです。

ロスカットがない場合、預けた保証金(証拠金と同義)を全額失うリスクや、追加で資金を払わなければならないリスクが生じます。

ただし預託された証拠金を上回る損失が発生することもある

あまりにも急な相場の変動で暴落や暴騰が起きた場合はロスカットが間にわないことがあります。その際、預けた保証金以上の損失となる可能性もあります。

あらためて説明しますが、ロスカットは、証拠金維持率が100%となる価格での約定および損失額を保証するものではありません。

投資家が預けた証拠金を上回る損失が発生することもあるので注意が必要です。

ロスカットが執行されるタイミングは…

ロスカットが執行されるタイミングは、FX会社によって定められているロスカット水準によります。

証拠金が減って、口座に残っている資金が所定の証拠金維持率まで低下した場合、ロスカットが執行されます。

FXをはじめたばかりの方はロスカットをされないように、あらかじめ余裕を持たせた金額を入金しておくと良いでしょう。また、レバレッジを低めに設定して取引することをおすすめします。

証拠金維持率とは、FX取引でポジション必要証拠金に対して占める純資産額の割合のことです。

「純資産÷必要証拠金×100」の計算式で求められます。

【例】

口座に100万円入金

1ドル=100円のときに、10万通貨を保有した場合。

100万円÷40万円(※)×100 = 250

※必要証拠金:100円×10万通貨×4%

⇒証拠金維持率は250%となります。

ロスカットが発動される「所定の証拠金維持率」はFX会社によって異なります。

では、ロスカットを避けるにはどうすればいいのでしょうか?

ロスカットを避けるには「証拠金を追加」しよう

トレード中のパソコン画面

ロスカットを避けるには余裕をもったポジション管理をすることです。そのためには、「証拠金」を追加しましょう。

証拠金を新たに追加することで有効証拠金が増えるため、ロスカットを避けることができます。

ただし、「証拠金」を追加する際には注意が必要です。

なぜなら、万が一トレンド(相場が一方向に動く現象)が発生した際に、証拠金の追加入金をおこなうと、再びロスカットリスクを高めてしまうからです。

ロスカットが執行されてしまうと、追加で入金した証拠金までも失うリスクが生じます。その場合、さらに大きな損失を発生させてしまいます。

またはポジションの一部を決済するのもあり

ロスカットを避けるもうひとつの方法は、ポジションの一部を決済することです。一部ポジションを決済することで有効証拠金が増え、ロスカットのリスクを回避できます。

ただ、「証拠金」を追加する方法同様、相場の状況を確認ながらおこないましょう。

あくまでも一時的な回避措置のため、相場でトレンドが発生してしまうと、ロスカットのリスクは継続されます。

また、含み損のあるポジションを保有しつづけることは、ロスカットリスクだけではありません。資金が拘束されてしまうため、取引チャンスが来たときに資金がショートし新たな取引ができない可能性があります。

つまり機会損失につながるリスクがともないます。

やはり、いちばん重要なことは、ロスカットされないようなポジション管理です。

そもそもロスカットされないようなポジション管理が大切

「証拠金」を追加する方法も、ポジションの一部を決済することも、一時的な回避策にすぎません。

したがって、追加資金を入れて粘るよりも、最初から簡単にはロスカットに陥らないようにポジションを管理していくことが大切です。

口座に預けている資金目いっぱいのポジションで取引する方法は避けましょう。

動かす資金を控えめにして実効レバレッジを低くする、損切りをおこなうなど、一時的ではない方法でロスカットリスクを回避しなければなりません。

ちなみにロスカットの基準は業者によって異なります。続いては、業者ごとの一覧の比較を見てみましょう。

海外FX業者ごとのロスカット基準って?比較一覧表 海外FX業者のロスカット水準を比較

海外FX業者ごとのロスカット基準は以下のとおりです。

<海外FX業者ロスカット基準>

Tradeview 100%
MiltonMarkets 50%
TradersTrust 50%
LAND-FX 30%
GEMFOREX 20%
XM 20%
AXIORY 20%
HotForex 20%
FBS 20%
IS6FX 20%
TitanFX 20%
FXGT 20%
Bigboss 20%
FxPro 20%
Exness 0%
iFOREX 0%

海外FX業者のロスカット基準は、0%~100%と幅広いです。

一方で「国内FX業者のロスカット基準は?」「国内FX業者との違いは?」と疑問に思った方もいるかもしれません。

そこで、国内FX業者のロスカット基準も確認してみましょう。結論からいうと、国内FX業者のほうが高めに設定されています。

国内のほうが基準が高めに設定されている

以下が国内FX業者のロスカット基準となります。

<国内FX業者ロスカット基準>

外為オンライン 100%
インヴァスト証券 100%
外為どっとコム 100%
トレイダーズ証券 100%
カブドットコム証券 100%
カネツFX証券 75%
DMM FX 50%
SBI FXトレード 50%
GMOクリック証券 50%
楽天証券 20%

各ロスカット基準を見るとわかるように、国内FX業者のほうがやや高めに設定されています。

海外FXでは基本的に、規定のロスカット水準を下回ると、損失の大きいポジションから順に証拠金維持率が回復するまでロスカットされます。

国内FXのロスカットは、単純に証拠金維持率を基準にしたものだけではなく、業者ごとの独自のルールやサービスも存在するため、海外FXに比べると少し事情は複雑です。

海外FX取引で強制ロスカットを回避するための3つの方法

海外FX取引で強制ロスカットを回避するための3つの方法は以下の通りです。

  1. レバレッジをかけすぎない
  2. スキャルピングトレードをする
  3. 自分の判断基準として損切りルールを作る

それでは一つひとつくわしくご説明します。

①レバレッジをかけすぎない

FXの魅力は、何といってもレバレッジにあります。レバレッジとは、「てこの力」の意味です。小さな元手で大きなリターンを得ることは、外貨預金ではできません。

自己資金 レバレッジ 取引額
10万円 1倍 10万円
10万円 25倍 250万円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

たとえば、自己資金が10万、レバレッジが100倍の場合は、1,000万円分の取引ができるようになるイメージです。

このレバレッジを高くすればするほど、証拠金維持率は下がります。

その場合、ロスカットの危険性も高まるため、レバレッジを高くかけすぎないようにすることが重要です。

特に初心者の方は低レバレッジからはじめることをおすすめします。

特に初心者は低レバレッジからはじめよう

初心者の方は3倍ぐらいからはじめていけば、証拠金不足に追い込まれるリスクが少ないとされています。

ローリスク、ハイリターンを狙って、最初から25倍のレバレッジをかけてしまうと、思わぬ損失を被る可能性があります。

国内FX業者のレバレッジは、日本の金融庁によって最大25倍と決められています。一方で以下のとおり、海外FX業者は、400倍から無制限にレバレッジをかけることができます。

<海外FX業者 最大レバレッジ例>

GEMFOREX 5,000倍
IS6FX 1,000倍
TitanFX 500倍
FXGT 1,000倍
Bigboss 1,111倍
XMTrading 1,000倍
Exness 無制限
FocusMartkets 1,000倍

海外FX業者の場合でも、3倍ぐらいからはじめ、徐々にトレードに慣れていき、レバレッジを上げていくのがよいでしょう。

②スキャルピングトレードをする

スキャルピングトレードをすれば、ロスカットを回避できます。

短期間(たった数秒から数分間)のうちに取引を行い、これを繰り返すことで利益を得る手法です。

スキャルピングは、英語のscalpから来ています。「頭皮を剥ぐ」の意味もあり、薄い皮を何枚も剥ぐように、わずかな利幅を狙った細かい取引によって得た薄い利益を積み上げていきます。

ローリスク、ローリターンとなるため、ロスカットを回避する手段としては有効です。

③自分の判断基準として損切りルールを作る

ロスカットを回避するためには、「ここまできたら絶対に決済する」など、自分の損切りルールを設けることが重要です。

特に初心者の方は損切りルールを設定せずに始めてしまいがちです。

「もう少し待てば相場は反転するだろう」

「もう少しだけ様子を見よう」

と思ってしまい、結果大きな損失を招くロスカットに陥ることがあります。

FXで重要なのは、勝率よりも損益額となります。

極端な話になりますが、99回勝っても、1回の大きな負けで、今までの勝ちが白紙に戻ること、もしくはさらに大きな損失を被ることもあります。

ロスカットは強制的な決済に対して、損切りは自分の判断でおこなう決済です。自分の損切りルールに沿って取引することで、強制ロスカットを回避でき、大きな損失を防げるかもしれません。

海外FXのロスカットに関するQ&A

質問

海外FXのロスカットに関してよくある質問を4つ紹介します。

  1. ゼロカットシステムって何?
  2. 追証ありとなしって何が違うの?
  3. 海外FXで借金になる可能性はある?
  4. 強制ロスカットが間に合わないパターンって?

Q.ゼロカットシステムって何?

ゼロカットシステムとは、万が一ロスカットが間に合わないなどの理由で口座残高がマイナスになった場合でも、そのマイナス分を0にしてくれるシステムのことです。

このゼロカットシステムがあると、口座残高以上の損失を発生させることはありません。

投資家にとってありがたいシステムですが、国内FX業者にはゼロカットシステムはありません。

国内FX業者は国の法律に守られており、日本では金融商品取引法で損失補填が禁止されているためです。

業者がトレーダーのマイナスを肩代わりするゼロカットシステムがあると、単純に業者が損をします。ゼロカットシステムにより、業者が倒産するリスクもあるでしょう。

一方で、海外FX業者にゼロカットシステムがあるのはなぜでしょうか。

理由は、たとえマイナスを肩代わりすることになっても、トレードの活性化をしたほうがトータルで利益になると考えるからです。

ただし、ゼロカットシステムを前提としたトレードをすると、口座凍結させられる場合もあるため、注意しましょう。

Q.追証ありとなしって何が違うの?

追証(おいしょう)とは、急な為替変動などでロスカットが間に合わないために、口座残高以上の損失が出てしまったときに追加で入金を求められる保証金のことです。

「追加保証金」が正式名称で一般的には追証と省略して呼ばれています。

つまり、ゼロカットシステムがあると、追証する必要はありません。業者がそのマイナス分を肩代わりしてくれるからです。この場合、口座残高以上のお金を失うことはありません。

一方で、ゼロカットシステムがない場合は、追証をしなければなりません。

追証があると、口座残高以上の資金を調達する必要があります。また状況によっては、借金をする可能性もあります。

Q.海外FXで借金になる可能性はある?

海外FXで借金になる可能性は4つあります。

  1. 借金をして、海外FXをはじめる
  2. ゼロカットシステムがない業者で取引する
  3. 禁止行為をおこなう
  4. 海外FX業者が倒産する

投資は、ご自身の余剰資金ではじめるようにしましょう。万が一損失を出しても、消費者金融などから借り、証拠金を追加して損失を取り戻すとは考えないことです。

これ以上マイナスが増えたら取引をやめる、などの自分の損切りルールにしたがって判断すれば、借金することはないでしょう。

Q.強制ロスカットが間に合わないパターンって?

いくら注意をしていても、強制ロスカットが間に合わないパターンがあります。

例えば、以下のような場合です。

  • 急激にレートが変動したとき
  • 休日の大きな為替変動
  • FX会社のシステムトラブル

気をつけなければならないのは、土日の大きな為替変動です。FX会社は土日に営業していないため、土日の大きな為替変動が生じた場合、ロスカットが間に合わない可能性があります

ただ、土日を含めて、ロスカットが間に合わないほどの超急激なレート変動は稀なケースです。過度な心配はしなくてよいでしょう。

まとめ

このページでは、海外FXのロスカットを解説しました。

最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  • ロスカットとは、FX取引で一定の水準以上の損失が発生した場合に、投資家が預けた資金(証拠金)以上の損失を発生させないようFX会社によって強制的に決済する仕組みのこと
  • ロスカット前に、証拠金維持率の低下を知らせてくれるマージンコールがある
  • 海外FX業者のほうが国内FX業者より、ロスカット基準は高めに設定されている
  • ロスカットを回避する方法は3つ「レバレッジをかけすぎない」「スキャルピングトレードをする」「自分の損切りルールを作る」

海外FXは、ハイレバレッジをかければかけるほど、大きなリターンを得られるのが特徴です。

その反面、強制ロスカットによる大きな損失につながるリスクも潜んでいます。

はじめのうちはご自身の余剰資金でトレードすることが大切です。また、強制ロスカットにならないようにレバレッジも低めから始めるなど、しっかりリスクを回避しましょう。