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海外FXの法人化のタイミングとやり方|意味がない場合やメリット・デメリットも解説

海外FXで安定した利益を出せるようになると「法人化」を検討される方も多いでしょう。
しかし、法人化する適切なタイミングや法人の設立方法について知らないと、法人化の恩恵を受けられない可能性もあります。
そこで本記事では、海外FXの法人化のタイミングとやり方について紹介します。
法人化のメリット・デメリットも解説するので、法人化を検討している方は参考にしてください。
海外FXの税金に関しては海外FX税金完全ガイドを一読することをおすすめいたします。
海外FXの法人化は意味がない?
海外FXの法人化が意味ないかどうかは、ケースバイケースです。
海外FXで法人化する理由は「節税効果」を期待するためです。個人口座での年間利益額・法人化によるメリット・デメリットを理解した上で、プラスに働くようであれば法人化は大きな意味をもたらすでしょう。
以下では、海外FXの法人化が本当に意味がないのか、深掘りしていきます。
個人事業主より法人化の方が節税効果は高い
一般的に事業を行う際、個人で行うよりも個人事業主の方が節税効果は期待できます。
しかし、海外FXの場合、個人事業主になったとしても節税の恩恵はあまり受けられません。
そもそも、海外FXのみだと事業と認められず、開業届が受理されない可能性が高いです。
過去にトレーダーがFXを事業所得とみなし、給与と損失分を損益通算した事例の裁判がありましたが、FX取引は事業ではなく「雑所得」扱いとなり敗訴になりました。
事業所得と雑所得の区別は、その所得の発生原因となった経済活動が「社会通念上事業といえるか」という判断基準によって行われ、これを決定するに際しては、営利性、有償性の有無、継続性、反復性の有無、自己の危険と計算による企画遂行性の有無、当該取引に費やした精神的、肉体的労力の程度、人的物的設備の有無、資金調達方法、その者の職業、経歴及び社会的地位、生活状況などの諸点が検討されるべきである。そして、事業に当たるというためには、相当程度の期間継続して安定した収益を得られる可能性がなければならない。
以下に検討するとおり、本件A社取引は、相当程度の期間継続して安定した収益を得られる可能性が到底認められないから、所得税法上の事業に当たらない。したがって、本件A社取引に係る所得は、事業所得に該当せず、雑所得に該当する。
つまり、FX取引は事業とみなされない=青色申告できないというのが結論で、経費計上や控除を利用しても大きな節税効果は見込めないでしょう。
一方、法人化するとFX取引は事業とみなされるため、他事業との損益通算や損失繰越も可能となり、税負担を大幅に軽減できます。
以上のことから、個人事業主よりも法人化の方が節税効果は高く、年間所得が多い方は法人化する意味があると言えるでしょう。
法人化のタイミングは「年間所得900万円以上」
法人設立するタイミングとして、年間利益が900万円以上となった場合がおすすめです。
年間利益が900万円以下の場合は法人よりも個人のほうが税率は低くなり、法人化の恩恵が受けづらいためです。
しかし、900万円を超えると個人の税率が33%、法人は年800万円を超えると23.2%となり個人の税負担が大きくなります。
よって、利益が900万円を超えたあたりが法人化するべき目安です。
個人口座 | 法人口座 | ||
---|---|---|---|
年間利益 | 税率 | 年間利益 | 税率 |
695万円以上900万円以下 | 23% | 800万円以下 | 15% |
900万円以上1,800万円以下 | 33% | 800万円超え | 23.2% |
なお、経費や控除を含めると、900万円以下でも個人口座より税負担を抑えられる場合があります。
法人化のタイミングは税理士などの専門家とよく相談し検討しましょう。
海外FXで法人化するメリット
海外FXで法人化すると、人によっては大きな「節税効果」が期待できます。
以下では、海外FXで法人化するメリットを紹介します。
税負担を抑えられる
海外FXの所得区分は「累進課税制度」に則って、個人事業主・法人関係なく所得が増えるほど納税額も増えます。
しかし、ある一定以上の利益(900万以上が目安)がある場合、個人口座から法人口座に移行することで税負担の軽減が期待できます。
以下、個人口座と法人口座の税率に関してまとめてみました。
個人口座 | 法人口座 | |
---|---|---|
所得形態 | 雑所得 | 事業所得 |
税率 | 5~45%の所得税+10 の住民税 | 19~23.2%の法人税+地方法人税、法人住民税、法人事業税 |
最大税率 | 55% | およそ30~35% |
個人口座の税率は最大55%(住民税含む)に対し、法人口座は実効税率が30%と税率を抑えられます。
利益が少ないうちは個人で運営し、一定の利益が超えた場合は法人化を検討してみましょう。
他所得と損益通算できる
FXで法人化をすると損益通算も可能となります。
損益通算:事業で赤字が出た際に他所得と損益を相殺できる制度。
個人口座の場合は仮想通貨FXやアフィリエイト収入といった雑所得しか対象にならず、他事業との損益通算は認められていません。
しかし、法人口座であれば事業にかかわるものすべてを合算して相殺できます。
FX以外の事業がある方は、法人化することでより節税の恩恵を受けやすくなるでしょう。
最大10年間の損失繰越が可能
海外FXを個人でやっている場合は損失繰越ができませんが、法人化した場合、最大10年は赤字の繰越が可能となります。
損失繰越:損益通算時に損失を帳消しできない場合、翌年に損失を繰越して翌年の利益と相殺すること。
- 2025年に300万円の損失
- 2026年に300万円の利益
- 損失と利益を相殺、2026年の税金は0円
損失を翌年以降の利益と相殺すると税負担の軽減につながるだけでなく、納税額が減ることで取引に使用できる金額が増え、ハイリターンを狙いやすくなるというメリットもあります。
役員報酬や保険料など経費にできる幅が広がる
FXでは個人口座・法人口座ともに経費を計上できますが、個人口座の場合は経費にできる範囲が限られます。
そこで、法人化をすることで経費(損金)にできる幅が広がり、個人口座よりも税負担の軽減が見込めます。
例として、以下の項目が経費として計上できようになります。
- 役員報酬
- パソコン代
- 住居費
- 退職金
役員報酬や退職金を経費に加えられる他、住居費も計上することが可能です。
ただし、経費が全て計上されない場合もあるため、経費に関して不明点がある場合は税理士などの専門家へ相談しましょう。
厚生年金に加入できる
法人化すると社会保険への加入義務が生じます。
健康保険や厚生年金に加入すると将来受け取る年金受給額が増えるだけでなく、傷病手当金や出産手当金などの手厚い補償を受けられるメリットもあります。
なお、健康保険料は「損金」として計上できます。
損金:会社の所得を計算する際に差し引ける経費。
損金が大きいほど課税所得が減るため、税負担を軽減することも可能です。
社会的信用が上がる
個人よりも法人化することで、社会的信用は高くなります。
人材採用・資金調達などを有利に進めやすく、FX取引以外の事業を展開する際も始めやすくなるでしょう。
FX取引のみの法人であれば合同会社だけで問題ないですが、他の事業も考えている方は資金調達しやすく社会的信用の高い株式会社の設立がおすすめです。
海外FXで法人化するデメリット
海外FXで法人化すると税負担を軽減できるメリットがあると紹介しましたが、一方で法人化によるデメリットもいくつかあります。
以下では、海外FXで法人化するデメリットについて紹介します。
メリット・デメリットを理解した上で、法人化するかどうかよく検討してください。
法人の設立に費用がかかる
法人を設立する際、必ず費用が発生します。
合同会社 | 株式会社 | |
---|---|---|
登録免許税 | 6万円以上 | 15万円以上 |
定款用収入印紙代 | 4万円 | 4万円 |
定款認証費用 | − | 1.5〜5万円 |
謄本手数料 | − | 250円/枚 |
会社印購入費用 | 100円〜1万円 | 100円〜1万円 |
印鑑登録料 | 1,000円 | 1,000円 |
設立費用は合同会社・株式会社によって変わり、合同会社の場合は10万円、株式会社の場合は20万円程度かかります。
合同会社は出資者と経営者が同じなため、意思決定が迅速かつ運用コストを抑えられるメリットがあります。しかし、合同会社は株式会社より馴染みが薄く、社会的信用がやや劣る点がデメリットです。
一方、株式会社は運用コストが高く手続きを行う際に時間を要するデメリットはありますが、社会的信用が高く資金調達しやすいメリットがあります。
海外FXのみを事業内容として法人設立する場合は、合同会社で問題ないでしょう。ただし、海外FX業者によっては合同会社の法人口座の開設が認められないケースもあるため、事前に開設を検討している海外FX業者へ問い合わせておくと安心です。
法人住民税・顧問契約料などの維持費がかかる
先ほど「会社設立は費用がかかる」と解説しましたが、ほかにも法人住民税や顧問契約料など固定維持費がかかります。
法人住民税は、均等割で資本金1,000万円以下の場合最低でも7万円かかり、赤字でも支払わなければなりません。
顧問契約料は税理士や社労士と契約する場合にかかる費用で、依頼する場合は年間20万円ほどかかることも珍しくありません。
法人化は税金処理や保険加入手続きが複雑になるため、税理士、社労士へ依頼する機会が増えます。
法人化する際は上記のような固定費がかかることも念頭に置くことが大事です。
含み益も課税対象となる
法人化した場合、決算期時点での保有損益を計上する必要があります。
年1回の決算期に法人税・法人住民税などを計上しなければならず、たとえ損益が赤字の場合も税金は支払う必要があるためです。
個人口座であれば含み益は課税対象にならないため、年末にポジション調整をして税負担を抑えることが可能でした。
しかし、法人口座の場合は含み益も課税対象となるため、忘れずに申告しましょう。
利益は自由に引き出せない
個人の場合は利益をそのまま自由に使えますが、法人の場合は自由にお金を引き出せません。
法人化すると利益は会社の共有財産となり、利益を引き出す場合は「役員報酬」という形で毎月固定額を受け取ることになります。
役員報酬は1年ごとに変更することは可能ですが、短期間で金額を変更することはできず、株主総会で決めなければいけません。
お金を自由に引き出せないことに不満を感じる方は、法人化ではなく個人口座のまま取引するのがおすすめです。
海外FXで法人会社を設立するやり方
以下では、海外FXで法人を設立する方法について紹介します。
法人化する前に会社の基本事項を決めておく
まず、法人化するにあたって以下にある会社の基本事項から決めていきます。
会社の形態 | 株式会社、合同会社など |
---|---|
商号(社名) | 会社名を決める |
事業目的・事業内容 | 事業を行う目的・内容を決める |
本店住所 | 会社の所在地 |
役員構成・報酬額 | 取締役(株式会社)、社員(合同会社)、報酬額を決める |
資本金 | 会社への出資額 |
代表者 | 役員の中から代表者を選出 |
決算期 | 決算月を決める |
上記の基本事項が決まった段階で書類作成に移ります。
法人化手続きで必要な書類作成は、以下の通りです。
- 登記申請書
- 登録免許税納付用台紙
- 定款
- 発起人の決定書
- 設立時取締役の就任承諾書
- 設立時代表取締役の就任承諾書
- 設立時取締役の印鑑証明書
- 資本金の払込みがあったことを証する書面
- 印鑑届出書
- 「登記すべき事項」を記載した書面
書類を準備した後は登記申請へ進みます。登記申請手続きは、郵送・窓口・オンラインでの方法で行えます。
申請完了の連絡はありませんが、不備があった際は法務局から連絡が来るので必ず対応しましょう。
合同会社の設立方法
合同会社の設立する大まかな流れは、以下の通りです。
- 会社の基本情報の決定
- 法人用の実印作成
- 定款作成
- 出資金の払い込み
- 登記に必要な書類の作成
- 本店所在地を管轄している法務局に登記書類を提出
なお、合同会社設立にかかる費用は、以下の通りです。
合同会社 | |
---|---|
登録免許税 | 6万円以上 |
定款用収入印紙代 | 4万円(電子定款の場合0円) |
会社印購入費用 | 100円〜1万円 |
印鑑登録料 | 1,000円 |
上記のうち登録免許税と定款用収入印紙代は、合同会社を設立する際に必ず発生する費用です。収入印紙代ですが、電子定款の場合は費用がかかりません。しかし、その分労力がかかるため、自分に合う方法を選択してください。
その他に、合同会社を税理士など専門家へ依頼する場合、報酬として5〜15万円ほどかかります。
合同会社は低コストで運用でき、2週間程度で設立登記が完了します。海外FXのみを事業として法人化する際は、合同会社の方が手続きも比較的簡潔なのでおすすめです。
株式会社の設立方法
株式会社の大まかな設立方法は、以下の通りです。
- 発起人を決める
- 会社概要の決定
- 会社印の作成
- 定款作成
- 定款の認証
- 出資金の払い込み
- 登記に必要な書類の作成
- 本店所在地を管轄している法務局に登記書類を提出
合同会社と株式会社の設立方法の違いは、「定款認証の有無」です。
株式会社を設立する場合、定款を作成し本店所在地を管轄する公証役場で定款を公証人に認証してもらう必要があります。
なお、株式会社の設立にかかる費用は、以下の通りです。
株式会社 | |
---|---|
登録免許税 | 15万円以上 |
定款用収入印紙代 | 4万円 |
定款認証費用 | 1.5〜5万円 |
謄本手数料 | 250円/枚 |
会社印購入費用 | 100円〜1万円 |
印鑑登録料 | 1,000円 |
株式会社の場合、定款認証の際に認証手数料・謄本代が発生します。また、登録免許税も株式会社の方が高額です。
株式会社は法人登記が完了するまで、最低でも3週間はかかります。
早めに法人口座を開設したい方は、余裕を持って法人登記の手続きを進めましょう。
難しい場合は会社設立代行業者を利用するのもおすすめ
会社設立手続きは定款書類作成、認証、出資手続き、登記などやることが多く、手続きにばかり時間を割いてしまいがちです。
そんなときは、会社設立代行に依頼するのがおすすめです。
会社設立代行は会社設立に必要な手続きをすべて請け負ってくれるため、自分の業務に時間を回せます。
また、手続きの代行だけではなく、会社設立後のサポートやアドバイスが受けられるのも魅力的です。
会社設立代行業者の費用相場は、株式会社で16万〜25万円程度、合同会社で2万〜10万円程度です。
もし自分で会社設立手続きを進める自信がない方は、会社設立代行に依頼してみてください。
海外FXで法人化する際の注意点
海外FXで法人化する際は、以下の注意点に気をつけましょう。
各ポイントについて詳しく紹介します。
銀行口座を開設する際はFX以外の事業内容も含める
法人化した後に銀行口座を開設する予定がある場合、FX以外の事業内容も含めましょう。
銀行口座の開設審査をする際に定款の謄本の提出を求められる場合がありますが、定款の事業内容部分にFX事業のことしか記載されていないと、相手(銀行)からの信用が得にくいことがあります。
また、今後FX以外の事業を行う場合、定款に事業目的を追加する際に費用がかかります。そのため、最初に複数の事業目的を記載しておくと、追加で事業を始めるときにスムーズに手続きを進められるでしょう。
サラリーマンが法人化する場合は就業規則を確認する
サラリーマンが法人口座を開設する場合、就業規則を事前に確認しておきましょう。
副業が認められていない会社に勤めていて万が一法人化したことで副業がバレてしまうと、解雇になる可能性も考えられます。
「住民税」や「社会保険」などを理由に、会社に副業(FX)がバレるケースもあります。
数年単位で安定的に利益を出し続けられる場合は、会社を辞めて法人口座を開設するのも手段の一つです。
会社員も同時並行で続ける場合は就業規則を確認し、自己責任で続けるかどうか判断してください。
確定申告が複雑なため税理士への依頼は必ず行う
個人口座で確定申告する際は、そこまで複雑な工程はなく自身で手続きを進めることが可能です。
しかし、法人化すると税務処理複雑になり、申告書の作成にも手間がかかります。
「無意識に脱税行為をしていた」などの予期せぬトラブルを避けるためにも、海外FXの税金に詳しい税理士に確定申告などの税務処理を依頼するのがおすすめです。
税理士の中には海外FXの税金に関する対応経験が浅いこともあり得るので、公式サイトなどから事前に情報収集しておきましょう。
毎年の利益が安定しない場合は法人化をおすすめしない
個人口座で何ヶ月かは安定して利益を出せていても、年によって利益が大きく変動する場合は法人化をおすすめしません。
法人化すると損失繰越や損益通算といった節税対策ができる他、年間所得によっては税負担を抑えることも可能です。
しかし、法人化するとランニングコストが発生し、赤字であっても「法人住民税」を支払わなければいけません。
年間利益が安定しない状態で法人化すると恩恵を受けられずかえって負担が増えてしまう可能性が高いため、900万円以上の利益を数年間安定して出せる状態になってから法人化を検討するのが安心でしょう。
海外FXの法人化に関するよくある質問
最後に、海外FXの法人化に関するよくある質問にお答えします。
- 海外FXの法人化が意味ないのは本当?
- 海外FXで法人化するメリットは?
- 海外FXで法人化するデメリットは?
- 海外FXで法人化した場合の税率は?
- 海外FXの法人化の損益分岐点は?
- 海外FXで法人化すると役員報酬を経費計上できる?
- 海外FXで法人化する際の資本金はいくら必要?
- 海外FXで法人化する際の事業内容の記載方法は?
- 海外FXで法人化したら税理士は雇うべき?
海外FXの法人化が意味ないのは本当?
海外FXの法人化が意味ないかどうかは、ケースバイケースです。
年間利益が安定しない方は法人化しても恩恵を受けにくく、税負担が増えてしまう可能性もあります。
しかし、年間所得が安定的に出せている方は、税負担が軽減される他、さまざまな節税メリットが受けられるでしょう。
900万円以上の年間所得がある方で税負担を抑えたい方は、法人化を検討するのも選択肢の一つです。
海外FXで法人化するメリットは?
海外FXで法人化するメリットは、以下の通りです。
- 税負担を抑えられる
- 他所得と損益通算できる
- 最大10年間の損失繰越が可能
- 役員報酬や保険料など経費にできる幅が広がる
- 厚生年金に加入できる
- 社会的信用が上がる
法人化する最大のメリットは「税負担の軽減」です。
個人口座の場合は所得が上がるほど税率も上がる「累進課税」が採用されますが、法人化すると一律23.2%の「法人税」が採用されます。
年間所得が900万円以上になると法人税の方が税率が低くなりますが、控除や経費を活用すると900万円以下の所得でも税負担を抑えられる場合があります。
その他、最大10年間の損失繰越や他事業との損益通算も可能になり、節税対策しやすいのが特徴です。
海外FXで法人化するデメリットは?
海外FXで法人化するデメリットは、以下の通りです。
- 法人の設立に費用がかかる
- 法人住民税・顧問契約料などの維持費がかかる
- 含み益も課税対象となる
- 利益は自由に引き出せない
多くの方が懸念するのは「利益を自由に引き出せない」点でしょう。
法人化すると利益は会社の共有財産となるため、自由にお金を出金することはできません。
役員報酬という形でお金を受け取りますが、金額を簡単に変更できず株主総会で金額を決定する必要があるなど、多くの制限があります。
また、法人化する際に設立費・維持費がかかるため、年間利益が安定しない方が法人化すると負担が増える可能性もあります。
海外FXで法人化した場合の税率は?
海外FXで法人化した場合の税率は、以下の通りです。
個人口座 | 法人口座 | ||
---|---|---|---|
年間利益 | 税率 | 年間利益 | 税率 |
695万円以上900万円以下 | 23% | 800万円以下 | 15% |
900万円以上1,800万円以下 | 33% | 800万円超え | 23.2% |
年間利益が800万円以上だと、一律23.2%の法人税が適用されます。
その他、法人住民税・法人事業税も加わり、実効税率は約30%程度になります。
海外FXの法人化の損益分岐点は?
海外FXの法人化の損益分岐点は「900万円」です。
年間利益が900万円以上になると個人口座よりも税率が低くなり、税負担が抑えられます。
控除や経費計上などを活用すると900万円以下でも税金面で有利になる場合があるので、法人化のタイミングは税理士などの専門家とよく相談してください。
海外FXで法人化すると役員報酬を経費計上できる?
海外FXで法人化すると、役員報酬を経費として計上することは可能です。
その他、社会保険や退職金なども経費として計上できます。
税負担を少しでも抑えるために、経費は漏らさず申告しましょう。
海外FXで法人化する際の資本金はいくら必要?
海外FXで法人化する際、資本金は100万円以上にするのがおすすめです。
極論1円からでも法人化することは可能ですが、銀行口座を開設する際に最低資本金額を100万円と提示されているケースが多いため、スムーズに手続きを済ませるためにも100万円以上の資本金を用意しておくと安心です。
なお、資本金を1,000万円以上に設定してしまうと法人住民税も高くなってしまうため、100万円〜1,000万円の間で資本金を設定すると良いでしょう。
海外FXで法人化する際の事業内容の記載方法は?
FX取引だけを事業内容にするのであれば「外国為替証拠金取引」と記載しましょう。
しかし、株や他の投資も含める場合は「株式、債券、外国為替、デリバティブ、ファンド等への投資業務」という内容で記載しても問題ありません。
なお、今後FX取引以外の事業を展開する場合は、以下のように事業内容を記載するのも手段の一つです。
- インターネットによる広告宣伝業
- Webサイト作成代行業
- 執筆業
- SEO対策コンサルティング業
海外FXで法人化したら税理士は雇うべき?
海外FXで法人化したら、税理士を雇うのをおすすめします。
個人よりも税務処理に手間がかかり、確定申告で申告漏れなどトラブルを起こすと「脱税行為」となり厳しいペナルティを課せられる可能性もあります。
依頼する際に報酬費用は発生しますが、ミスなく確実に税務処理をしてもらいたいのであれば税理士を雇う方が安心でしょう。
まとめ
ここまで、海外FXの法人化のタイミングとやり方、メリット・デメリットについて紹介しました。
解説した重要なポイントは以下のとおりです。
- 海外FXが意味がないかどうかはケースバイケース
- 個人事業主よりも法人化の方が節税効果は高い
- 法人化の損益分岐点は900万円だが、控除や経費を活用すれば900万円以下でも恩恵を受けられる
- メリットは「税負担の軽減」「最大10年間の損失繰越が可能」「経費の幅が広がる」などが挙げられる
- デメリットは「自由にお金を引き出せない」「設立費・維持費がかかる」などが挙げられる
- 法人を設立する際は「合同会社」「株式会社」どちらを設立するか決めておく
- 合同会社は設立費10万円程度、法人登記完了まで2週間程度
- 株式会社は設立費20万円程度、法人登記完了まで3週間程度
- 法人登記をスムーズに進めたいなら「会社設立代行業者」を利用するのも手段の一つ
- 法人化する際は資本金を100万円〜1,000万円の間に設定しておく
- 年間利益が安定しない場合は法人化するのは避けよう
法人化のタイミングとして、年に900万円以上の利益があり、かつ数年間その利益額の安定が見込める場合が適切です。
また、海外FXでの法人化には費用や書類手続きなどの手間がかかります。手続きの時間を省きたい方は会社設立代行に依頼するのも選択肢の1つです。
年間利益が安定していて節税対策をしたい方は、法人化も検討してみてはいかがでしょうか。
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