海外FXキャッシュバックサービスならマネチャ(Money Charger)

海外FX 両建て

海外FXの両建ては必勝法?主要10社の規約で許可と禁止の境界を解説

/ / 著者: マネチャ編集部

「両建ては本当に必勝法なのか」「どこまでが許可されていて、どこからが規約違反なのか」「異業者間の両建てはバレないのか」——海外FXの両建てで迷うのは、この3つに集約されます。結論から言うと、両建ては必勝法ではありません。値動きの損益は相殺されますが、スプレッド・スワップ・証拠金というコストは相殺されずに残り続けるからです。そして「両建てそのもの」を禁じている業者はほとんどなく、規約が名指しで禁じているのは「市場リスクを取らずに利益を得ることを狙った両建て」です。

この記事では、両建ての仕組みと「必勝法」と呼ばれる理由、主要10社の利用規約で「同一口座内・複数口座間・異業者間」がそれぞれどう扱われているか(条番号つき)、キャッシュバックやIB報酬を目的にした両建ての扱い、国内FXの「金融庁の規制で両建て禁止」という説の検証までを、各社の規約原文と法令の条文にあたって整理します。読んだあとに「自分の使っている業者で、これはやっていいのか」を自分で判断できる状態を目指した内容です。

結論|海外FXの両建ての要点(2026年9月時点)

  • 両建ては必勝法ではない。値動きの損益は固定されるが、スプレッドは建てた瞬間に2回分が確定し、スワップは両側に発生する。8社の公式スワップ値を集計した23データすべてで、買いと売りの合計はマイナスだった(ドル円の中央値は1ロットあたり1日−1,690円)。時間が経つほど不利になる、時間を買うための一時的な手段
  • MT4・MT5での同一口座内の両建てを禁止している業者は、調べた主要10社に1社もなかった(Axiの独自プラットフォームATPのみ公式に「許可されていない」と明記)。Exnessは利用規約で「Hedged Positions」を正式に定義し、証拠金の計算方法まで規定している。ただし両建て時の必要証拠金は0%の業者・50%の業者・銘柄やプラットフォームで分ける業者があり、一律ではない
  • 規約が名指しで禁じているのは「両建て」ではなく「無リスクの利益を狙う取引」。複数口座間の両建てには10社中8社が、異業者間には4社が言及し、ゼロカットの悪用・ボーナスやキャッシュバックを目的にした両建てが禁止類型として並んでいる(本文に10社の条番号つき一覧)
  • 「バレない方法」は存在しない。同一業者内は取引履歴だけで判定でき、異業者間でも規約は「同一のIPアドレス・端末・入出金パターン」「取引パターンの一致」を検知の根拠として明記している。違反と判断されたときの措置は、取引の無効化・利益の没収・出金の拒否・全口座の凍結まで規約に書かれている
  • 「国内FXは金融庁の規制で両建てが制限されている」は不正確。金融商品取引業等に関する内閣府令117条1項26号が禁じているのは業者による両建ての勧誘であって、顧客が両建てを行うことではない(本文で条文を引用)

※本記事は、MoneyCharger編集部がコンテンツ制作ポリシーに基づき作成しています。各社の両建てに関する取り扱いは公式の利用規約・約款・公式FAQの原文(英語版を含む)を、国内の規制はe-Gov法令検索の現行施行版の条文を、取引プラットフォームの仕様はMetaQuotes社の公式ドキュメントを、それぞれ2026年9月9日に確認したものです(条番号と確認日は本文に明記)。規約は改定されることがあるため、実際の運用は必ずご自身の口座の最新の規約でご確認ください。海外FX業者は日本の金融庁に登録がなく、金融庁消費者庁は無登録業者との取引について注意喚起しています。本記事は一般的な情報提供であり、特定の取引手法を推奨するものではありません。

海外FXがはじめての方は、あわせて海外FX初心者完全ガイドもご覧ください。

海外FXの両建てとは?「必勝法」と呼ばれる理由と、実際のところ

両建て(ヘッジ/hedging)とは、同じ通貨ペアの買いポジションと売りポジションを、同時に保有することです。ドル円を1ロット買っている状態で、同じドル円を1ロット売れば両建てになります。この状態では、相場が上がっても下がっても、片方の含み益ともう片方の含み損が同じだけ増えるため、値動きによる損益は「その瞬間の水準」で固定されます

両建ての仕組み|同じ通貨ペアを同じロットで買いと売りを同時に持つと、相場が上がっても下がっても損益の合計はほぼ±0になるが、スプレッド2回分・両側のスワップ・証拠金は残る

「必勝法」と呼ばれるのは、損失が止まったように見えるから

両建てが「必勝法」「最強」「裏技」と呼ばれてきたのは、損切りをせずに損失の拡大を止められるように見えるからです。含み損を抱えたポジションに反対のポジションをぶつけると、その時点で損益が固定され、口座残高がそれ以上減らなくなったように感じられます。実際に、次のような使われ方がされてきました。

  • 含み損のポジションを損切りしたくないので、反対売買をぶつけて「いったん止める」
  • 米雇用統計やFOMCなど、どちらに動くか分からない発表の前に、保有中のポジションをヘッジする
  • レンジ相場の上限で売り、下限で買い、両方を持ったまま値幅を取りにいく
  • 買い増しと売り増しを繰り返して、ポジションの偏りを調整しながら方向感を待つ

いずれも「判断を先送りできる」という点では機能します。問題は、先送りしている間もコストだけは動き続けることです。

必勝法ではない理由|損益は相殺されても、コストは相殺されない

両建てで固定されるのは値動きによる損益だけです。取引にかかる3つのコストは相殺されず、そのまま残ります。

コスト両建てでどうなるか効いてくる場面
スプレッド買いと売りで別々に発生する。建てた瞬間に2回分が確定し、決済してもこの分は戻らない建てた直後から。往復で決済すればさらに増える
スワップポイント買いポジションと売りポジションの両方に発生する。プラス側とマイナス側が同額で打ち消し合うわけではない日をまたぐたび。保有が長いほど積み上がる
証拠金業者の設定により、両建て分がまったく必要ない場合と、両側それぞれに必要な場合がある(後述の業者別の扱い資金効率。両側必要な業者では、同じ資金で持てるロットが半分になる

つまり両建ては、「損失を消す手段」ではなく「時間を買う手段」です。買った時間の代金としてコストを払い続けているため、放置するほど不利になります。両建てを解くとき(片方を決済するとき)には、結局「どちらの方向に賭けるか」という最初の判断に戻ってくることになり、その判断が先送りされているだけだという点は押さえておく必要があります。

「両建てなら絶対に負けない」「リスクを取らずに利益が残る」といった説明を見かけたら、そのコストがどこに消えているかを確認してください。スプレッド・スワップ・証拠金のいずれかを無視していれば、その計算は成り立ちません。無リスクで利益が出る前提の両建ては、後述のとおり各社の規約で禁止行為として明記されています。

海外FXで両建てを使うメリット

必勝法ではないと書きましたが、両建てに使いどころがないわけではありません。「決済したくないが、これ以上損失を増やしたくもない」という局面で、判断を先送りするための道具としては機能します。海外FXならではの事情も含めて、実際に効くメリットを整理します。

損切りせずに損益を固定し、判断を保留できる

最大のメリットはこれです。含み損を抱えたポジションに同じロットの反対ポジションをぶつけると、その時点で値動きによる損益が止まります。「損切りしたくないが、これ以上は耐えられない」という心理的な行き詰まりを、いったん外に置けるのが両建ての実質的な効用です。

ただし、これは損失が消えたわけではありません。含み損は固定されたまま口座に残り、その間もスプレッド分は確定済みで、スワップは毎日発生します。「保留した判断を、いつ・どういう条件で下すのか」を決めずに両建てにすると、コストを払いながら塩漬けにしているだけになります。両建てにする前に、解除の条件(この価格まで戻ったら売りを外す、この日までに動かなければ両方閉じる、など)を先に決めておくことが前提です。

指標発表など、方向が読めないイベントをまたげる

米雇用統計・CPI・FOMCなど、結果が出るまで方向が分からない発表の直前に、保有ポジションと同じロットの反対ポジションを持てば、発表直後の急変動の影響を受けずに済みます。決済して作り直すより、持っているポジションの建値を変えずにイベントだけをやり過ごせる点が違いです。スワップポイントを目的に長期で持っている買いポジションを、短期の下落局面だけヘッジする、という使い方も同じ発想です。

この使い方には注意点があります。HFMは利用規約27.1で「変動の激しい相場・指標発表時・窓開け時に反対注文を出して無リスクの利益を狙う取引」を禁止行為として明記しています(後述)。ヘッジそのものではなく「無リスクの利益を狙うこと」が対象ですが、指標発表をまたぐ両建てを繰り返す運用は、業者から見て境界線上にあることは意識しておく必要があります。

証拠金が相殺される業者なら、資金効率を落とさずにヘッジできる

両建てで必要になる証拠金の扱いは業者とプラットフォームによって異なります。MetaTrader 5には「ヘッジ対象証拠金(Hedged Margin)」という証拠金計算の仕組みが用意されています。MetaTrader 5公式ヘルプは、同じ銘柄の反対方向のポジションについて「そのようなポジションには2つの証拠金算出方法が可能です。算出方法はブローカーによって決定されます」と説明しています(2026年9月9日確認)。つまり両建て時の証拠金がゼロになるかどうかは、業者の設定次第です。

相殺される設定の口座なら、ヘッジのために追加の証拠金を用意する必要がないため、証拠金維持率を落とさずにポジションを固定できます。逆に相殺されない設定では、ヘッジした瞬間に必要証拠金が倍になり、維持率が急落します。後述の業者別の比較で、どの業者・どのプラットフォームがどちらなのかを整理しています。

追証がないため、両建てが崩れても入金額以上の損失にならない

両建ては「絶対に安全な状態」ではありません。証拠金維持率が下がってロスカットに触れれば、片側だけが強制決済されて両建てが崩れ、残った片側が一方的に損失を膨らませることがあります。AXIORY公式FAQも「完全な両建て状態を保持している場合であっても、価格変動やスワップポイントの増減により余剰証拠金を満たさないなどの理由で両建てが解除になった時点で必要証拠金が発生します」と注意喚起しています(2026年9月9日確認)。

その意味で、ゼロカット(追証なし)を採用している海外FX業者では、最悪の場合でも損失が入金額までにとどまる点は国内FXにはない利点です。ただしゼロカットは「規約の範囲内の通常取引」に適用されるもので、後述する禁止類型に当たると判断された場合は適用されないことが各社の規約に明記されています。詳しくは海外FXに追証がない理由で解説しています。

キャッシュバックとの関係|両建てでも取引量は積み上がるが、それを目的にすると規約違反になる

キャッシュバックサイトの還元は取引ロット数に応じて発生するため、「両建てなら値動きのリスクを取らずにロットだけ積み上げられるのではないか」という発想が生まれます。この点について、当サイトの立場をはっきり書いておきます。それは主要業者の利用規約が名指しで禁止している行為です。

  • XM 利用規約 47.4——取引と損益を無効にする事由の列挙に「cash-back arbitrage(キャッシュバック裁定)」が明記されている
  • Exness Client Agreement Part C 2.5——禁止取引手法として「cash-back / bonus arbitrage」と「trading with the sole aim of generating third party commission(第三者の手数料を発生させることのみを目的とした取引)」が列挙されている
  • XMのIntroducer Agreement 第3項——「close byおよびmultiple close byの機能で決済された取引」「保有時間が5分以下の取引」を、IB報酬の計算から除外している。close byはMT4で両建てを相殺決済する専用機能で、この手法をピンポイントで無効化する条項

該当すると判断されれば、取引と損益は無効になり、キャッシュバックの原資であるIB報酬も取り消され、口座の凍結や出金の拒否まで規約上の措置に含まれます。条文と各社の措置内容は「キャッシュバック・IB報酬を目的にした両建て」で詳しく扱います。

逆に言えば、第三者のキャッシュバックサイトを経由して開設した口座で、自分の相場観で行った取引にキャッシュバックが付くこと自体には何の問題もありません。ヘッジを含む通常の取引の結果としてロットが積み上がるのと、キャッシュバックを得ること自体を目的にリスクのない取引を反復するのとでは、規約上の扱いがまったく違います。キャッシュバックの仕組みそのものは海外FXのキャッシュバックとはで解説しています。

両建てのデメリットとコスト|スプレッド・スワップ・証拠金

両建てのコストは「損益が固定されているから何も起きていない」ように見える裏側で、確実に積み上がっています。ここではスプレッド・スワップ・証拠金の3つを、実際にどれだけかかるのかという形で整理します。

この3つは、監督当局が挙げているデメリットとも一致します。金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」(令和8年8月版)は、業者が顧客に両建てを案内する際に言及すべき事項として「手数料が二重にかかること、通貨間の金利差調整額(以下「スワップポイント」という。)により逆ざやが生じるおそれがあること、仲値を基準とする売値及び買値の価格差(いわゆる「店頭金融先物取引業者の受け取るスプレッド」)について顧客が二重に負担することとなること」の3点を挙げ、両建てを「経済合理性を欠くおそれがある取引」と位置づけています(IV-3-3-2(4)②・2026年9月9日確認)。以下では、この3点が海外FXでいくらになるのかを見ていきます。

スプレッドは建てた瞬間に2回分が確定する

もっとも見落とされやすいコストです。買いポジションを建てた時点でスプレッド分のマイナスが乗り、そこに売りポジションを追加すればもう1回分のマイナスが乗ります。両建てにした瞬間に、スプレッド2回分の含み損が確定した状態でスタートするということです。

さらに、両建てを解いてポジションを閉じるときには決済のスプレッドはかかりませんが、両建てと解除を繰り返す運用にすると、その回数だけスプレッドが積み上がります。スプレッドの狭い口座タイプを選ぶ、手数料込みの実質コストで比較するといった対策は海外FXのスプレッド比較で扱っています。

スワップは買いと売りの両方に発生し、合計はマイナスになる

日をまたぐと、買いポジションと売りポジションのそれぞれにスワップポイントが発生します。金利差から理論値を出せばプラス側とマイナス側は打ち消し合うはずですが、実際にはそうなりません。8社が公表しているスワップ値を集めて、同じ銘柄の買いと売りを足し合わせました(各社公式サイトで2026年9月9日に取得。数値は日々変動します)。

業者USDJPYEURUSDゴールド(XAUUSD)
XMTrading−27.49ドル(買い+2.11/売り−29.60)−6.44ドル−83.50ドル
TitanFX−1,064円(買い+497円/売り−1,561円)−5.14ドル−45.27ドル
HFM−24.8ポイント(−2,480円)。買いが0.0のため相殺できない−8.3ポイント(−8.30ドル)−74.11ポイント(−74.11ドル)
FXGT−24.11ポイント(−2,411円)−7.21ポイント(−7.21ドル)公式一覧に掲載なし
BigBoss−16.90ポイント(−1,690円)−5.91ポイント(−5.91ドル)−11.55ポイント(−11.55ドル)
ThreeTrader−14.67ポイント(−1,467円)−4.82ポイント(−4.82ドル)−18.40ポイント(−18.40ドル)
AXIORY−9.71ポイント(−971円)。集計した中では最小−3.52ポイント(−3.52ドル)−56.52ポイント(−56.52ドル)
IS6FX−23.83買いも売りも両方マイナス(買い−0.97/売り−22.86)−9.78。こちらも両側マイナス−51.27
Axi・Exness公開ページから銘柄別のスワップ値を取得できず(Exnessは取引条件ページの閲覧にログインが必要)。未確認

※すべて1ロット・1日あたり、買いと売りを合計した値。XMは公式情報サイト「XMTrading Labo」の金額表示(データ日付2026年9月8日)、TitanFXは公式スワップポイントカレンダーの実績値(2026年9月8日)、その他は各社公式の取引条件ページまたは公式スワップ一覧から取得。円・ドルの換算値は1ロットの契約サイズにもとづく当編集部の計算(USDJPYは1ポイント100円、ドル建て銘柄は1ポイント1ドル。この換算式はFXGT公式とThreeTrader公式の記載と一致)。FXGTは2026年3月9日時点の値、ThreeTraderは2026年7月15日更新の値です。IS6FXは公式ページに単位の記載がないため換算していません。

数値を取得できた8社すべて、23銘柄すべてで、買いと売りの合計はマイナスでした。USDJPYのように買いでプラスのスワップを受け取れる銘柄でも、XMは受け取りが+2.11ドルに対して支払いが−29.60ドルで、差し引き1日−27.49ドルの持ち出しになります。HFMは受け取り側を0.0に設定している銘柄が多く、その場合はプラス側での相殺がまったく効きません。IS6FXに至ってはUSDJPYもEURUSDも買いと売りの両方がマイナスで、どちらの方向に持ってもスワップは支払いになります

理由は業者自身が説明しています。BigBossは公式サイトで「BigBossでは、傾いた小さいポジション側にはお客様にとってより魅力的なプラスSWAP値を提供するなどして調達コストの削減を図る」と述べており、スワップは2国間の金利差だけでなく、業者の調達コストが上乗せされて決まります。だから買いと売りを足すとマイナスが残ります。Axiは商品概要書(2026年7月6日発効)で、さらに直接的に「一定の金利市場の状況下では、スワップレートは買いポジションと売りポジションの両方でマイナスになることがある」と記載しています。

金額感をつかむための試算をひとつ。USDJPYの合計を円で比べられる7社(単位の記載がないIS6FXを除く。XMは米ドル建て表示ですが、円換算するとどの為替レートでも7社中で最も大きくなります)で並べると、中央値は1日あたり−1,690円でした。スワップは土日には付かず、その分が3日分としてまとめて付与されるため、1か月保有すればおおむねカレンダーの日数分が積み上がります。1ロットの両建てを1か月放置すると、USDJPYでおよそ5万円のコストという計算になります(中央値を30日分に引き延ばした当編集部の試算。実際の金額は業者・銘柄・時期で大きく変わります)。

スワップが3日分つく曜日をまたぐと、その日だけコストが3倍になる

週末の2日分をまとめて付与する日があり、その日をまたぐと両建てのコストも3倍になります。TitanFXの公式スワップポイントカレンダーは日別の実績値を公開しているため、同じ銘柄で比較できます。

TitanFXのUSDJPY(2026年9月)売り買い両建て1日の合計
9月1日(火)・通常−1,566円+499円−1,067円
9月3日(木)・通常−1,561円+497円−1,064円
9月2日(水)・3日分付与−4,683円+1,491円−3,192円
9月5日(土)・9月6日(日)0円0円0円

3日分が付与される曜日は業者と商品で違います。FXGT公式は「FX通貨ペア・貴金属・エネルギーは水曜日、株価指数と株式・仮想通貨は金曜日」、ThreeTrader公式は「木曜日の朝7時に3日分」と案内しています。両建てを1週間持てば、必ずこの日を1回はまたぐことになります。

スワップフリー口座なら両建てのコストは消えるのか

「スワップフリー(イスラム)口座を使えばいい」という発想が出てきますが、そう単純ではありません。各社の規約を確認すると、次の4つの壁があります。

  • そもそも申し込めない——XM・AXIORY・Exnessは宗教上の理由を要件としており、証明書類を求める権利を規約に明記しています。AXIORYはイスラム教徒の証明書類とスワップフリー契約書への署名を求め、既存口座は解約になります
  • 保有日数に上限がある——TitanFXは最大3連続日、FXGTはPRO口座6日・Optimus口座2日。しかもFXGTのPRO口座は日本円が絡む通貨ペア(USDJPYなど)が対象外で、株価指数は全口座で対象外です
  • 上限を超えると管理手数料がかかる——TitanFXは上限を超えると日次の管理手数料が発生し、これは土日にも発生します。Exnessも規約9.1で管理手数料を課し得ると規定しています
  • 金利差で利益を得る目的の取引自体が禁止されている——XM 60.4・AXIORY 19.7・Exness Part E 5.13・FXGT 16.8.8が「carry trades」「スワップフリー期間を悪用する取引戦略」を名指しで禁止しています。違反時の措置はスワップフリーの剥奪と未計上スワップの遡及徴収、取引の無効化、利益の取消、全口座の閉鎖です

つまりスワップフリー口座は、両建てのコストを消すための道具として設計されていません。長期保有のコストを下げたい場合は、まず自分がその口座を使える条件に当てはまるかを確認するところからになります。

両建て時の必要証拠金は業者とプラットフォームで変わる

両建てにしたとき必要証拠金がどうなるかは、規格として決まっているわけではありません。MetaTrader 5公式ヘルプは、同じ銘柄の反対方向のポジションについて「そのようなポジションには2つの証拠金算出方法が可能です。算出方法はブローカーによって決定されます」と明記しています(2026年9月9日確認)。主要10社の公式情報で確認できた実際の設定は、次のとおりでした。

業者同一口座内で完全な両建てにしたときの必要証拠金出典
Exness0%(公式スペック表に「Hedged margin 0%」)公式の口座タイプページ
FXGT0%。規約14.11.1が「完全にヘッジされた口座では必要証拠金は発生しない」と明記公式規約PDF v1.14
HFM0%(Zero Hedge Margin)。数量が一致した分だけゼロで、部分両建ては一致した分のみ。WebTrader・アプリ・MT4・MT5で挙動は同じ公式FAQ
AXIORYMT4/MT5は相殺(差分のみ)/cTraderは相殺なし(多い側のロット分)公式FAQ(日本語)
XMTradingFX・ゴールド・シルバーは0%/その他すべての銘柄は50%公式ヘルプセンター
AxiMT4は標準の必要証拠金の半分/独自プラットフォーム(ATP)は両建て不可(自動でネッティングされる)公式ヘルプ
TitanFX・IS6FX両建ての可否は公式に記載があるが、証拠金の扱いは公式情報では確認できず
BigBoss・ThreeTrader両建ての可否・証拠金の扱いとも公式情報では確認できず(ThreeTraderは公式FAQを全文精査して該当する設問が存在しないことを確認)

※各社公式サイトで2026年9月9日に確認。ExnessはWayback Machine経由の取得のため版差は未確認、Axiは公式ヘルプの2025年6月更新版。「確認できず」は取得できた公式情報に記載がないという意味です。

よく見かける「0%か、MAX方式か、両側とも必要か」という3分類では、実態を表せません。XMのように銘柄で分ける業者、AXIORYやAxiのようにプラットフォームで分ける業者があります。とくにAXIORY公式FAQは「両建て取引を行った場合、取引ツールにより必要証拠金額算出方法が異なります」として、次のように説明しています。

AXIORYでの例MT4/MT5cTrader
買い3ロット+売り3ロット(完全な両建て)必要証拠金は相殺される3ロット分が計上される
買い3ロット+売り2ロット(部分両建て)1ロット分(差分)が計上される3ロット分(多い方のロット)が計上される

同じ業者・同じ銘柄・同じロットでも、cTraderを選んだだけで必要証拠金が3倍になるということです。Axiはさらに極端で、公式ヘルプが「MT4では部分・完全いずれのヘッジも認めており、同一銘柄の買いと売りを保有している間は標準の必要証拠金の半分が課される」一方、独自プラットフォームのATPでは「ヘッジは現在許可されておらず、ATPでヘッジを試みるとポジションはネッティングされる」と説明しています。0.04ロットの買いに0.04ロットの売りを出すと、相殺されて自動的に決済されるということです。「この業者は両建ての証拠金が0だ」という情報を鵜呑みにせず、自分が使うプラットフォームでの扱いを確認する必要があります。

AXIORY公式FAQは同時に、「完全な両建て状態を保持している場合であっても、価格変動やスワップポイントの増減により余剰証拠金を満たさないなどの理由で両建てが解除になった時点で必要証拠金が発生します。その後、口座残高により強制ロスカット等発生する恐れがあります」と注意喚起しています。両建ては「ロスカットされない状態」ではありません。

両建てが崩れると、残った片側が一方的に損失を膨らませる

両建て中でも、スワップのマイナスが積もれば有効証拠金は減り続けます。証拠金維持率がロスカット水準に触れると、業者のルールに従って片側から順に強制決済されることがあります。そうなると残ったのは片側だけのポジションで、しかも相場が不利な方向に動いている最中です。両建てにしていたはずが、いちばん悪いタイミングで一方向のポジションだけが残る、という結末になります。

これは推測ではなく、業者自身が公式に明記していることです。

業者公式の記載
FXGT(規約14.11.1)「完全にヘッジされた口座であってもストップアウトは起こり得る。完全にヘッジされていれば必要証拠金は不要だが、有効証拠金は変動損益の影響を受ける。スプレッドが拡大すれば変動損益が膨らみ、有効証拠金を超えればストップアウトになる
AXIORY(公式FAQ)「完全な両建て注文を保有時であっても、スワップ等による評価損の影響により、片方の取引が強制ロスカットとなった時点で、両建てが解除され、反対側のポジションを保有する為に必要証拠金が必要となります」
TitanFX(公式ヘルプ)「完全な両建て注文であった場合でも、スワップやスプレッドの拡大、市場の値動きが激しくなる指標時などにより損失が発生し、余剰証拠金額を満たさなくなった場合はロスカットの対象となります
HFM(公式FAQ)「完全にヘッジされたポジションの片側を決済した場合、残ったポジションは直ちに標準の必要証拠金に戻る
IS6FX(公式FAQ)「スワップやスプレッドの拡大により損失が生じる場合がございます」

5社が口をそろえて言っているのは同じことです。両建てはリスクをゼロにする状態ではなく、①スプレッド拡大による含み損 ②スワップコストの蓄積 ③片側の強制決済による両建ての解除、という3つの経路で崩れます。

ロスカットの水準と執行の順序は業者ごとに違うため、両建てを長く持つつもりなら海外FXのロスカット基準を先に確認しておくことをおすすめします。

解除のタイミングという、先送りした判断が最後に残る

両建ての最大の難所は、建てることではなく解くことです。片方を決済すれば、そこから先は残った片側の一方向のリスクに戻ります。「どちらを、いつ外すか」は、最初にポジションを持ったときと同じ難易度の判断です。両建てにした時点で問題が解決したわけではなく、判断が延期されただけだという点を、コストを払っている間ずっと意識しておく必要があります。

実務的には、両建てにする前に「解除の条件」を数値で決めておくのが唯一の対策です。決めずに建てた両建ては、解除の判断がさらに難しくなるだけで、結局そのまま残高が削られていきます。

MT5のネッティング口座では、そもそも両建てにならない

見落とされやすい仕様です。MetaTrader 5には「ネッティング」と「ヘッジ」という2つのポジション会計システムがあり、MetaQuotes社の公式ヘルプは「使用されるシステムは口座によって違い、ブローカーによって設定されます」と説明しています(2026年9月9日確認)。

方式同じ銘柄で反対の注文を出したときの挙動
ヘッジ方式「銘柄は、反対方向のポジションを含む複数のポジションを持つことができます」。新しいポジションが追加され、既存のポジションはそのまま残る=両建てが成立する
ネッティング方式「銘柄は同時に1つの共通ポジションのみを持つことができます」。反対方向の約定は既存ポジションの数量を減らし、決済または反転させる=両建てが成立しない

ネッティング方式の口座で「両建てをしたつもり」で反対注文を出すと、ヘッジになるどころか、持っていたポジションが決済されます。公式ヘルプは、何が反対方向の約定を引き起こしたか(成行注文の実行か、未決注文がトリガしたか)は重要ではないとも説明しており、EAが出した注文でも同じ扱いです。

今回調べた10社の公式情報の範囲では、MT4・MT5の口座についてネッティング方式を採用していると明記している業者は確認できませんでした(ただし前述のとおり、Axiの独自プラットフォームATPは公式にネッティングの挙動を明記しています)。ただしMT5では口座タイプごとに設定できる項目であり、口座を開設したら気配値表示で反対注文を試す前に、少額で挙動を確認しておくのが安全です。MT4・MT5でEAを動かす場合は、この違いが想定外の決済につながることがあります。

【業者別】どこまでが許可され、どこからが違反か

両建ての可否は「業者ごとに違う」と説明されがちですが、実際に各社の利用規約と公式ヘルプの原文にあたると、違いは「両建てを認めているかどうか」ではなく「どの範囲の両建てを禁止類型として書いているか」にあります。主要10社の規約原文を、条番号つきで3つの区分に整理しました(いずれも2026年9月9日確認)。

両建ての境界|多くの業者で認められている同一口座内の両建てと、規約が禁止類型に挙げている複数口座間・異業者間・ゼロカット狙い・ボーナスやキャッシュバック目的の両建ての対比
業者同一口座内の両建て同一業者の複数口座間異業者間(他社との間)
XMTradingのロゴ
XMTrading
。公式ヘルプが「すべての取引口座においてポジションを両建てしていただけます」と明示。FX・ゴールド・シルバーの両建て証拠金は0%、その他の銘柄は50%不可。同じ公式ヘルプが「二つの異なる口座間での両建てはできません」と明示他社との両建てを名指しする条文は確認できず。ただし47.4が「他者と協調した内部両建て」「無リスクの利益を含むあらゆる裁定」を無効事由としている
Exnessのロゴ
Exness
規約が正面から想定。Part Aで「Hedged Positions」を定義し、Part D 3.1・3.6・3.9でヘッジ時の証拠金計算まで規定。マージンコール中でも、当社が認める場合に限り証拠金を減らすためのヘッジを建てられると規定Part C 2.5が「顧客自身の口座内および他者と協調した内部両建て」を禁止類型に列挙。あわせて同一IP・同一端末・同一の入出金パターン・類似の取引パターンを複数口座運用の判定基準として明記他社との両建てを名指しする条文は確認できず。Part C 2.5の「無リスクの利益」「市場リスクを取らずに金銭的利益のみを狙う取引パターン」が適用され得る
FXGTのロゴ
FXGT
規約14.11.1が「完全にヘッジされた口座では必要証拠金は発生しない」と明記。ただしスプレッド拡大による含み損でストップアウトはあり得ると同条が警告8.6が「同一プロファイル配下の取引口座を使ったヘッジ」を対象と明記。8.6は「自発的か非自発的かを問わず」とも書いており、意図せぬ両建ても対象になり得る明文で対象。8.6が「external hedging connected to third parties(第三者との外部ヘッジ)」を名指ししている
TitanFXのロゴ
TitanFX
。公式ヘルプが「はい、Titan FXでは両建てを行って頂けます」と明示「ゼロカットの対象外」という建付け。公式ヘルプが「複数口座間や他業者(2業者以上)間でのゼロカット狙い等の両建て取引はゼロカットの対象外」と明記同上。禁止ではなく、負残高が出ても補填しないという書き方。かつ対象は「ゼロカット狙い等の」両建てに限定されている
HFMのロゴ
HFM
両建て一般を禁じる条文は確認できず。27.1が禁じるのは「無リスクの利益を狙って反対注文を建てる行為」で、しかも相場急変時・指標発表時・窓開け時など場面が限定されている10.13が「複数口座で反対のポジションを建てても当社は相殺しない。手動で決済しない限り両方にロールオーバーコストが発生し続ける」と警告。27.1の禁止は「同一口座でも別口座でも」適用される他社との両建てを名指しする条文は確認できず
AXIORYのロゴ
AXIORY
。公式FAQが「同じ取引口座内での両建て取引は可能です」と明示。MT4/MT5は証拠金が相殺され、cTraderは相殺されない両建てを名指しする条文は確認できず。規約14.6(a)・30.6は裁定・オフマーケットレートの悪用・レイテンシー裁定を対象としており、両建てには触れていない同左。名指しの条文は確認できず
ThreeTraderのロゴ
ThreeTrader
公式FAQに記載は確認できず。ただし9.7の定義が「internal/external hedging」を限定なしで価格操作の例に列挙している(発動は「価格・執行・プラットフォームを操作したと当社が判断した場合」)定義に「1人のトレーダーが複数の口座を同時に取引すること」「同一の電子識別情報」「入出金のパターン」を列挙定義の「external hedging」が該当。あわせて「他の口座保有者とのやり取り」も列挙されている
BigBossのロゴ
BigBoss
公式ガイドラインに記載は確認できず禁止。公式ガイドラインが「複数の口座を用いたリスク過多な両建て取引」を公平性を欠いた取引として明記。同一IPからの複数口座の取引も名義貸しとして対象他社との両建てを名指しする記載は確認できず
Axiのロゴ
Axi
MT4は可(公式ヘルプ。部分・完全いずれのヘッジも認め、標準の必要証拠金の半分)。独自プラットフォームのATPは不可で、ヘッジを試みるとポジションが自動でネッティングされる名指しの条文は確認できず名指しの条文は確認できず。なお価格操作の定義に「deliberately(故意に)」の語があり、価格操作の定義に故意要件を置いているのは10社中Axiだけ
IS6FXのロゴ
IS6FX
。公式FAQが「同一口座内に限り、両建て取引を行って頂けます」と明示。あわせて「類似通貨ペアによる取引」も禁止しており、相関する別ペアを使った擬似的な両建てを名指ししているのは10社中IS6FXだけ禁止。利用規約第12条が「当社で複数の口座を持って両建て取引を行う行為」を禁止行為として列挙禁止。同第12条が「2社以上の業者に入金して両建て取引を行う行為」を名指しで列挙。10社中、異業者間の両建てをこれだけ明確に書いているのはIS6FXのみ

※出典と版:XM=公式日本語ヘルプセンター「両建て取引を認めていますか?」(2026年9月9日にライブで現行版を確認)およびClient Agreement(2024年6月保存版)47.3・47.4・9.1.34、Introducer Agreement(2026年2月保存版)第3項・第9項/Exness=Client Agreement 2026年7月24日版 Part A・Part C 2.5・Part D/FXGT=Terms and Conditions v1.14(2024年12月掲載版)2.6・8.6・8.8・14.11.1/TitanFX=公式ヘルプセンター(2026年6月4日更新)/HFM=Account Opening Agreement 2023年1月版 10.13・27.1/AXIORY=公式FAQ「取引条件全般」およびTerms on Investment Services 14.6(a)・30.6/ThreeTrader=Client Agreement 2023年9月版 9.7/BigBoss=公式ガイドライン「公平性の欠ける取引に関する規則」/Axi=Client Agreement 2026年7月7日発効版 6.2/IS6FX=利用規約 第12条および公式FAQ「両建ては行えますか?」/Axi公式ヘルプ「What trading strategies are allowed?」(2025年6月更新)。「確認できず」は、取得できた公式文書にその文言が見当たらないという意味であり、「許可されている」という意味ではありません。英語で書かれた規約からの引用は当編集部による訳で、判断の分かれ目になる語は原文を併記しています。また規約は改定されるため、実際の判断は必ずご自身の口座の最新の規約で確認してください。

この表から読み取れること

  • MT4・MT5での同一口座内の両建てを禁止している業者は、10社中1社もない。公式に「できます」と明言しているのはXM・TitanFX・AXIORY・IS6FXの4社、AxiもMT4について「部分・完全いずれのヘッジも認めている」と記載しており、ExnessとFXGTは規約本文で両建て時の証拠金の計算方法まで規定しています。HFM・ThreeTrader・BigBossは同一口座内について公式の記載を確認できませんでした。唯一の例外はAxiの独自プラットフォーム(ATP)で、公式ヘルプが「ヘッジは現在許可されていません」と明記しています(試みた場合は反対売買が自動的に相殺決済されます)。「海外FXは両建て禁止」という説明は、少なくともこの10社のMT4・MT5には当てはまりません
  • 複数口座間になると、扱いがはっきり分かれる。XM・BigBoss・IS6FXは明確に禁止、TitanFXはゼロカットの対象外、Exness・FXGT・HFM・ThreeTraderは禁止類型の条文が当たり得る書き方。10社中8社が何らかの形で複数口座間に言及しています
  • 異業者間を名指ししているのは4社。うち禁止行為として挙げているのはIS6FX・FXGT・ThreeTraderの3社で、TitanFXは「禁止」ではなく「ゼロカットの対象外」という書き方です。残る6社に名指しの条文はありませんが、XM 47.4・Exness Part C 2.5の「無リスクの利益を狙う取引」という一般条項は形式を問わず適用され得ます。名指しの条文がないことと、やっても問題にならないことは別です

もうひとつ押さえておきたいのは、どの規約も「当社の裁量で判断する」と書いていることです。XMは「XMTRADINGの単独の裁量によるいかなる兆候または疑いも」、ThreeTraderは「当社が信じた場合」、BigBossは「当社監視チームによる総合的な判断」。該当するかどうかを決めるのは業者であり、顧客側に反論の手続きが保証されているわけではありません。ThreeTraderに至っては、顧客が30日以内に「違反していない決定的な証拠」を出さない限り、顧客に有利な取引を最初から無効として扱うと規定しています。

両建ての扱いは業者ごとに違います。口座はキャッシュバックが貯まるマネチャ経由で開設できます

禁止される両建てとペナルティ

10社の規約を並べると、禁止類型として書かれている両建ては5つのパターンに整理できます。共通しているのは「両建てという形」ではなく「市場のリスクを取らずに利益を得ようとしているかどうか」が判断軸になっている点です。

①同一業者の複数口座間の両建て

もっとも多くの業者が名指ししている類型です。XMは公式ヘルプで「二つの異なる口座間での両建てはできません」と明示し、IS6FXは利用規約第12条で「当社で複数の口座を持って両建て取引を行う行為」を禁止行為に列挙、BigBossは公式ガイドラインで「複数の口座を用いたリスク過多な両建て取引」を公平性を欠いた取引としています。

問題視される理由は明確です。同一口座内なら証拠金は相殺され、損益も口座の中で完結します。ところが口座を分けると、片方の口座だけをゼロカットで飛ばし、もう片方の利益を残すという使い方が成立してしまうからです。だからこそ、複数口座を検知するための条件も規約に書かれています。Exness Client Agreement Part C 2.5は、判定の材料として次を明記しています。

  • 同じ場所から操作されている口座
  • 同じIPアドレス・ID・電話番号などが使われている、または示されている口座
  • 入金と出金のパターンが同じ複数の口座
  • 取引のパターンが類似または同一の口座
  • 同じ端末を共有している口座

BigBossも「複数の利用者および口座からの取引が同一または同系統のIPアドレスより行われている事が発覚または当社が判断した場合」を名義貸しとして扱うと書いており、ThreeTraderは価格操作の定義に「同一の電子識別情報」「入出金のパターン」を挙げています。複数口座を作ること自体は多くの業者で認められていますが、それを使って反対のポジションを持つと別の話になります。複数口座の使い分けについては海外FXの複数口座で扱っています。

②異業者間の両建て(異業者両建て)

A社で買い、B社で売る形です。「同じ業者の中でなければ把握されないのではないか」という発想から関心が集まりやすい領域ですが、規約原文を確認すると、異業者間を名指ししているのは10社中4社、うち禁止行為として挙げているのは3社でした。

業者異業者間の両建てに関する規約の書き方
IS6FX利用規約第12条の禁止行為に「2社以上の業者に入金して両建て取引を行う行為」を明記。10社中もっとも直接的
FXGT8.6に「external hedging connected to third parties(第三者との外部ヘッジ)」を明記。ただし条文の主眼はゼロカットとボーナスの悪用
TitanFX「他業者(2業者以上)間でのゼロカット狙い等の両建て取引はゼロカットの対象外」。禁止ではなく、負残高を補填しないという建付け
ThreeTrader9.7の価格操作の定義に「internal/external hedging」を列挙。発動は「価格・執行・プラットフォームを操作したと当社が判断した場合」
XM・Exness・HFM・AXIORY・BigBoss・Axi異業者間を名指しする条文は確認できず。ただしXM 47.4・Exness Part C 2.5の「無リスクの利益」「市場リスクを取らずに金銭的利益のみを狙う取引パターン」は形式を問わず適用され得る

ここで正確に押さえておきたいのは、「名指しの条文がない」ことと「やっても問題にならない」ことは違うという点です。各社の一般条項は、行為の形ではなく目的(リスクを取らずに利益を得ること)で書かれています。異業者間であっても、片方をゼロカットで飛ばす前提の設計であれば、そちらの条項に当たります。

③ゼロカットを狙って片方を意図的に飛ばす両建て

複数口座間・異業者間の両建てが問題視される、実質的な理由がこれです。ゼロカット(追証なし)は、想定外の急変動で顧客が負債を負わないようにするための制度で、その原資は業者が負担しています。意図的に片方の口座を飛ばして負債を業者に押しつけ、もう片方の利益を確定させる設計は、制度の趣旨と正面から衝突します

各社の条文もこの点を名指ししています。XM 47.4は「当社のゼロカット(no negative balance)ポリシーの濫用」、Exness Part C 2.5は同じく「ネガティブバランス・ポリシーの悪用」、FXGT 8.6は「Negative Balance Protectionの不適切な利用」を無効事由に挙げています。TitanFXは公式ヘルプで「ゼロカット制度を乱用・悪用したお取引であると判断した場合、ゼロカット補填を行わない場合がございます」と明記しています。

ゼロカットが適用されないと、口座がマイナス残高のまま残ります。規約上は入金元本の返金にとどまり、IS6FXは「口座が凍結・終了された場合、当社は口座内の資金を返金する義務を負わない」と規約に明記しています。ゼロカット狙いの両建ては、失敗したときの損失が「入金額まで」に収まらない可能性があるということです。

④ボーナスを使った両建て

口座開設ボーナスや入金ボーナスを使って複数の口座で両建てし、リスクなく利益を残そうとする形です。これも各社が名指しで禁じています。IS6FXは第13条で「ボーナスを使った複数口座での不正な取引」「ボーナスを利用したアービトラージ取引」を、BigBossは「当社が提供するボーナスやゼロカットシステムの盲点を利用したリスク過多な取引」を、FXGTは8.6でボーナス・インセンティブ制度の悪用を、それぞれ規約に書いています。措置としては、ボーナスの即時没収と、以後すべてのボーナス制度からの除外まで規定されています。

ボーナスと両建ての関係は論点が多いため、当サイトでは海外FXのボーナス両建てで、ボーナスの種類ごとの扱いとクッション機能の有無を含めて個別に解説しています。

⑤キャッシュバック・IB報酬を目的にした両建て

ここは当サイトがキャッシュバックサイトである以上、はっきり書いておかなければならない部分です。「両建てで値動きのリスクを取らずにロットだけ積み上げ、キャッシュバックやIB報酬を稼ぐ」という手法は、主要業者の規約が名指しで禁止しています。しかも禁止されているだけでなく、報酬の計算式そのものから除外する条項が置かれています。

利用規約が「キャッシュバック裁定」と「報酬目的の取引」を名指ししている

業者・条番号規約の該当文言
XM 47.4取引と損益を無効にする事由の列挙に「cash-back arbitrage(キャッシュバック裁定)」を明記
XM 9.1.34「Fraud Traffic(不正なトラフィック)」の定義に「cash back arbitrage」と「トレーダーと直接または間接に報酬やボーナスを分け合う申し出」を列挙
Exness Part C 2.5禁止取引手法として「cash-back / bonus arbitrage」「trading with the sole aim of generating third party commission(第三者の手数料のみを目的とした取引)」「hedging in bad faith(悪意のヘッジ)」を明記
Exness Part E 5.13スワップフリー口座について「cash-back arbitrage」を検知した場合、スワップフリーの剥奪と未計上スワップの遡及徴収、全口座の閉鎖、全取引の無効化ができると規定
FXGT 2.6cashback arbitrage」を、関連する取引と損益をすべて無効にする事由として明記
Axi 6.2(h)「裁定」の語はないが、「リベート契約の趣旨から外れた形で、あるいは不正にリベートを発生させる目的で注文を出していると信じるに足る理由がある場合」に、注文の取消・建玉の強制決済・約定済み取引の巻き戻しができると規定
IS6FX 第12条「キャッシュバック裁定」の語はないが、禁止行為に「不当に取引報酬を得る取引行為」を列挙。措置として「報酬の凍結」も規定
AXIORY 19.7「cashback arbitrage」を規定。ただし対象はイスラム口座(スワップフリー)に限定されており、通常口座には及ばない

加えてXM 47.4とExness Part C 2.5、FXGT 2.6には共通の包括条項があります。「市場で取引する意思がなく、市場リスクを取らずに金銭的利益だけを得ようとする取引パターン」を無効事由とするもので、手法の呼び名を問わず適用されます。規約に「キャッシュバック裁定」という語がわざわざ置かれていること自体が、業者側がこの手口を認識し、明示的に禁じていることを示しています。

そもそも報酬の計算から除外されている(XMのIB規約)

禁止規定より実務的に重いのがこちらです。XMの「Introducer Agreement(紹介者規約)」第3項は、どの取引をIB報酬の計算に含めないかを列挙しています。そのなかに、両建てを使った報酬稼ぎを名指しで潰す条項があります。

  • 第3項(c)——「"close by" および "multiple close by" の機能を使って決済された取引は、紹介者報酬の計算に含めない」。close byはMT4で両建てのポジション同士を相殺して決済する専用機能です。両建てを組んでclose byで畳む形は、この一文で報酬の対象から外れます
  • 第3項(b)——「保有時間が5分以下の取引は、紹介者報酬の計算に含めない」。短時間で両建てを開いて閉じる回転も対象外です
  • 第3項(d)——「報酬を発生させることのみを目的として口座を通じて取引を執行する行為(churning)については報酬を支払わない」
  • 第9項——「アフィリエイト自身の取引口座、またはアフィリエイトが管理・支配していると見られる取引口座から発生した報酬(セルフリベート)は考慮しない」。措置は報酬の不払い・アフィリエイト口座の停止・取引関係の終了

つまりXMでは、規約違反として摘発される以前に、その取引はそもそも報酬として計上されません。他社にも同種の条項があります。Exnessのパートナー規約5.7は「オートリファラル(パートナーが直接または状況証拠から支配していると認められる口座の取引から報酬を得ること。パートナーと紹介された顧客が2つ以上の同一のIPアドレスを使用している場合を含むが、これに限らない)」を疑うに足る合理的理由があれば、パートナー報酬を0%まで引き下げると規定しています。FXGTは21.5.1で「パートナーの報酬を得るためだけに建てられ決済されている取引(churning)」を、21.5.5で「報酬を得る目的で複数のメールアドレスを使って複数口座を保有すること」を、それぞれ報酬の不払いと口座の即時閉鎖の事由としています。

「キャッシュバックを受け取ること」自体は何の問題もない

混同されやすいので明確に分けます。禁止されているのは①キャッシュバックやIB報酬を得ること自体を目的に、市場リスクを取らない取引を反復すること②自分の口座を自分で紹介して報酬を受け取ること(セルフIB)の2つです。

これに対して、第三者のキャッシュバックサイトを経由して口座を開設し、自分の相場観で行った取引にキャッシュバックが付くことは、まったく別の話です。ヘッジを含む通常の裁量取引の結果としてロットが積み上がることに、規約上の問題はありません。境界は「両建てをしたかどうか」ではなく、市場リスクを取る意思があったかどうかにあります。キャッシュバックの仕組みそのものは海外FXのキャッシュバックとはで解説しています。

該当すると判断された場合に起きることは、キャッシュバックが止まるだけではありません。取引そのものが無効になり、利益が没収され、その原資であるIB報酬も取り消され、口座が凍結されるという一連の措置が規約に書かれています。IS6FXの「報酬の凍結」がまさにこれです。

違反と判断されたときに何が起きるか

措置の内容も規約に具体的に書かれています。「警告される程度だろう」と考えていると実態と乖離します。

業者規約に定められた措置
XM(47.4)全取引と損益の無効化/全口座の一時的または恒久的な閉鎖・停止/全取引の取消/新規口座開設の禁止/利益を無効化し入金元本のみ返金(入出金手数料は差し引く)。47.3では過去の取引利益の回収も規定
Exness(Part C 2.5)全口座の閉鎖・停止・ブロック/全取引の取消/内部送金の無効化/出金の自動処理の停止/レバレッジの引き下げ/EAの無効化・APIキーの失効/利益の無効化/証拠金要件の引き上げ/建玉への日次管理手数料の賦課。Part C 2.4では出金の拒否も明記
FXGT(8.6・8.8)ボーナスの即時没収/以後すべてのボーナス制度からの除外/関連するすべての口座を含めたブロック/利益の出た取引の無効化/残額のみ返還
HFM(27.1)口座閉鎖/無期限の口座停止/無期限の調査/当該手法で得た金額と同額以上のペナルティ料の請求/利益の没収。すでに出金済みの利益は関連口座から回収すると明記
ThreeTrader(9.7)顧客に不利な取引は執行したうえで、顧客に有利な取引を最初から無効として扱う(顧客が30日以内に決定的な反証を出さない限り)/資金の留保/口座の閉鎖
BigBoss該当する全取引の無効化/入金元本(出金済み額を差し引いた額)のみ返金/アカウントの削除。削除されたアカウントは永久に復活しない/再作成しても発覚次第すべて無効化
IS6FX(第12条)利用の無条件停止・削除/報酬の凍結/場合により法的措置/口座のブロック・終了。その場合、口座内の資金を返金する義務を負わないと明記
Axi(6.2)未約定注文の取消/ポジションの即時強制決済(通知なし)/口座の停止・閉鎖/約定済み取引の取消・巻き戻し

特に重いのは、「入金元本は返す」と書いている業者と、そうでない業者があることです。XM・BigBossは元本の返金を明記していますが、IS6FXは返金義務を負わないと明記し、HFMは出金済みの利益まで関連口座から回収すると規定しています。実際にこうした措置が発動する場面と、その後の対応については海外FXの口座凍結海外FXの出金拒否で詳しく扱っています。

条文の作りからも分かるとおり、これらの措置は出金の場面で顕在化しやすい構造になっています。FXGT 8.6は該当行為の例示のなかに「資金の出金を要求すること」を並べ、Exness Part C 2.4は措置の一つとして「顧客が口座から出金することを拒否すること」を明記しています。取引中に何も起きていないことは、規約上問題がないことの証明にはなりません。

「両建てがばれない方法」はあるのか

この記事でもっとも検索されている疑問のひとつです。結論から書きます。同一の業者の中では「ばれる/ばれない」という次元の話にすらなりません。そして異業者間についても、「検知されるか」ではなく「規約が何を禁じていて、誰が判定するのか」を見るのが正しい問いの立て方です。

同一業者内は、取引履歴を見れば一目で分かる

MT4・MT5の注文はすべて業者のサーバーを経由し、口座番号・銘柄・ロット・方向・約定時刻がそのまま記録されます。同じ口座で同じ銘柄の買いと売りを持てば、ポジション一覧にそのまま並びます。口座を分けたとしても、同じ顧客プロファイルの配下にある口座は業者から見れば完全に紐づいています。隠す余地が構造的にありません。

そのうえで、多くの業者は同一口座内の両建てを認めています。同一口座内なら、そもそも隠す必要がないということです。問題になるのは口座をまたいだときで、そこには各社の検知条件が規約に書かれています。

複数口座は、検知の条件が規約に書かれている

「IPアドレスを変えれば」「別の端末を使えば」という発想が出てきますが、規約が挙げている判定材料はそれだけではありません。

業者規約に書かれた判定材料
Exness(Part C 2.5)同じ場所からの操作/同じIPアドレス・ID・電話番号/同じ入出金のパターン類似または同一の取引パターン/同じ端末の共有
ThreeTrader(9.7の定義)1人のトレーダーが複数口座を同時に取引すること/同一の電子識別情報/入出金のパターン/他の口座保有者とのやり取り
BigBoss同一または同系統のIPアドレスからの複数口座の取引(名義貸しとして扱う)
IS6FX(第13条)同一または類似のネットワーク(IPアドレス)・端末が別名義で使われている場合/同一の主体が複数口座を運用していると判断される場合

注目すべきは「取引パターンの類似」「入出金パターンの一致」が判定材料に含まれていることです。両建ては、同じ銘柄で同じロットの反対注文をほぼ同時刻に出す取引です。これは取引パターンとしてもっとも目立つ形の一つで、IPアドレスや端末を変えても、注文そのものの特徴は変わりません。

異業者間はどうか|「検知の仕組み」ではなく「規約と裁量」の問題

ここは正確に書きます。業者間で顧客の取引履歴を相互に共有する仕組みは、今回調べた範囲の公開情報では確認できませんでした。各社の規約にもそうした仕組みへの言及はありません。この点を「だから安全だ」と書く記事もありますが、そこから先の3つを見落としています。

  • 規約違反であることは変わらない——IS6FXは「2社以上の業者に入金して両建て取引を行う行為」を、FXGTは「第三者との外部ヘッジ」を、ThreeTraderは価格操作の定義に「external hedging」を、それぞれ規約の禁止対象として名指ししています。検知されるかどうかと、規約に違反しているかどうかは別の問題です
  • 判定に「証拠」は要求されていない——XM 47.4は「XMTRADINGの単独の裁量によるいかなる兆候または疑いも」、ThreeTrader 9.7は「当社が信じた場合」を発動条件としています。BigBossに至っては「当該行為としての判定は当社監視チームによる総合的な判断となり、お客様の意図と相違がある事もございますが、疑いが生じた時点で執行をさせて頂く場合がございます」と公式に明記しています
  • 説明を受ける権利が規約で否定されている場合がある——IS6FXの利用規約第12条は「The judgment about the presence or absence of prohibited acts is done in our company. It is assumed that it does not require any explanation of the content and rationale to the user.」(禁止行為に当たるかどうかの判断は当社が行い、その内容と根拠を利用者に説明する必要はないものとする)と規定しています。なぜ違反と判断されたのかを開示させる手段が、規約上ないということです

さらにThreeTraderは、顧客に有利な取引を最初から無効として扱う条項に「顧客が通知から30日以内に、違反していないという決定的な証拠を提出しない限り」という条件を付けています。立証責任が顧客側にあるという設計です。異業者間の両建てを片方の業者が問題視した場合、「していない」ことを証明するのは顧客の側だということになります。

問いの立て方を変える

「ばれない方法」を探す形の情報収集は、いちばん損失の大きい失敗の仕方につながります。うまくいっている間は何も起きず、資金が積み上がった段階で出金申請をして、そこで全額が無効になるという順序になるからです。しかも判定は業者の裁量で、説明を求める手段が規約上ない業者もあります。

実務的に意味があるのは、次の順で確認することです。

  1. 自分が使っている業者の利用規約で、両建てとヘッジがどう書かれているかを確認する(本文の業者別の一覧が出発点になります)
  2. やろうとしていることが「市場リスクを取らずに利益を得る設計」になっていないかを確認する。なっていれば、条文の名前が何であれ該当します
  3. 判断がつかなければ、業者のサポートに問い合わせる。回答は日付とあわせて保存しておく。XM・TitanFX・AXIORY・IS6FX・Axiのように、公式ヘルプやFAQで可否を明示している業者もあります

国内FXと海外FXの両建ての違い|「金融庁の規制で禁止」は正しいか

「国内FXは金融庁の規制で両建てが制限されている。だから海外FXを使う」という説明を、両建てを扱う記事でよく見かけます。これは不正確です。禁止されているのは業者による両建ての勧誘であって、顧客が両建てを行うことではありません。条文にあたって確認します。

法令が禁じているのは「勧誘」で、名宛人は業者

根拠条文は金融商品取引業等に関する内閣府令(金商業等府令)117条1項26号です。e-Gov法令検索の現行施行版(令和8年内閣府令第66号による改正・2026年8月3日施行)から原文を引きます(2026年9月9日確認)。

店頭デリバティブ取引又はその受託等(証拠金その他の保証金を預託する取引に係るものに限る。)につき、顧客(中略)に対し、当該顧客が行う当該店頭デリバティブ取引の売付け又は買付けその他これに準ずる取引と対当する取引(これらの取引から生じ得る損失を減少させる取引をいう。)の勧誘その他これに類似する行為をすること

読むべき点は3つです。

  • 禁止されている行為は「勧誘その他これに類似する行為」——「取引を行うこと」でも「注文を受けること」でもありません。同じ117条1項の36号は商品先物について「受託等をする行為」と明示的に受託を禁じており、条文はこの2つを書き分けています。FXに適用される26号は勧誘までです
  • 名宛人は業者——この府令が中身を埋めている金融商品取引法38条の柱書は「金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない」と規定しています。顧客は名宛人に含まれていません
  • そもそも法令に「両建て」という語はない——現行の金商業等府令の全文を検索しても「両建」は0件です。法令上の表現は「対当する取引」で、「両建て」は業界の慣用語です

金融庁の監督指針は「できます」と答えること自体は問題ないとしている

もっと直接的な記述が、金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」(令和8年8月版)IV-3-3-2(4)②にあります(2026年9月9日確認)。

顧客から両建て取引を行いたい旨の積極的意思表示があった場合や、顧客から両建て取引を行うことができるか否かについて照会があった場合に、両建て取引を行うことができる旨を告げることは、直ちに金商業等府令第117条第1項第26号に該当するものではない。しかし、両建て取引について、「手数料が二重にかかること、通貨間の金利差調整額(以下「スワップポイント」という。)により逆ざやが生じるおそれがあること、仲値を基準とする売値及び買値の価格差(いわゆる「店頭金融先物取引業者の受け取るスプレッド」)について顧客が二重に負担することとなることなどのデメリットがあり、経済合理性を欠くおそれがある取引である」旨に言及することなく、上記の記載又は表示を行うことは、金商業等府令第117条第1項第26号に規定する「その他これに類似する行為」に該当する。

つまり金融庁は、顧客が「両建てをしたい」と言えば業者が「できます」と答えてよいと明記しています。禁止されるのは、デメリットに言及せずに「両建てできます」とだけ書いたり表示したりすることです。規制されているのは業者の説明の仕方であって、顧客の取引ではありません。

あわせて、金融先物取引業協会の自主規制規則・ガイドライン(公式サイトに掲載されている52本を取得し、テキストを抽出できた51本)と日本証券業協会の投資勧誘規則を全文検索しましたが、両建てを禁止・制限する規定は確認できませんでした(「両建」の該当0件・2026年9月9日確認)。

国内主要8社を調べたら、全社で両建てできた

法令と監督指針を確認したうえで、実際に国内業者がどう運用しているかを公式サイトで調べました(2026年9月9日確認)。

業者両建ての可否両建て時の必要証拠金
GMOクリック証券 FXネオMAX方式(相殺)
DMM FX売り・買いの両方に必要(相殺なし)
SBI FXトレードMAX方式(相殺)
楽天FX可(※ASストリーミング注文では不可)MAX方式(2022年9月26日〜)
外為どっとコム可(※初期設定は「なし」/ワンクリック注文時は不可)MAX方式
ヒロセ通商 LION FX可(※初期設定は「両建なし」。HTML5版のみ「あり」)MAX方式
みんなのFX可(両建設定をONにする)MAX方式
マネックス証券 FX PLUSMAX方式(2012年3月17日〜)

調べた8社すべてで両建てが可能で、禁止している業者は1社もありませんでした。証拠金についても、8社中7社がMAX方式(売りと買いの多い方だけを計算する方式)で相殺しており、両側に必要なのはDMM FXだけです。「国内は両建てすると証拠金が二重にかかる」という説明も、実態とは違います。

一方で、8社すべてが「推奨しません」と明記しています。これは各社の好みではなく、監督指針が業者に求めていることへの対応です。GMOクリック証券の取引ルールは、その典型的な書き方です。

〔取引ルール「18.両建取引」〕両建取引はスワップポイントにより逆ザヤが生じること、また反対売買時にスプレッドによるコストをお客様が二重に負担すること、または決済の仕方によっては取引コストが二重にかかる場合があることにより経済合理性を欠く取引でありますので当社では推奨するものではありません。お客様の判断と責任においてお取引ください。
〔同「6.証拠金/2.必要証拠金」〕ただし、同一通貨ペアの両建時における必要証拠金の計算方法はMAX方式となります。

デメリットを列挙したうえで「推奨しない」と書き、そのうえで取引自体は可能にし、証拠金は相殺する。監督指針が求めているのは、まさにこの形です。外為どっとコムとヒロセ通商が両建ての初期設定をOFFにしているのも同じ理由で、「お客様が上記の特性を充分にご理解のうえ、ご自身の判断により設定を変更することで両建取引を行える仕様」と外為どっとコムは説明しています。

「楽天FXは両建て禁止」と書かれることがありますが、これは誤読です。楽天FXの取引ルールで「両建て」が出てくるのは、ASストリーミング注文(新規か決済かをシステムが自動判定する注文方法)に限った1文だけで、通常の注文では両建てできます。楽天証券はむしろ「両建て時の必要証拠金について(中略)お客様はより資金効率の高いお取引が可能になります」としてMAX方式を導入しています。

では、国内と海外で何が違うのか

法令が顧客の両建てを禁じていない以上、国内と海外の違いは「規制の有無」ではなく「業者側の設計」にあります。整理すると次のようになります。

項目国内FX海外FX
両建ての可否法令上の禁止はない。調べた主要8社すべてで可能法令上の禁止はない。調べた主要10社で、MT4・MT5の同一口座内の両建てを禁止している業者はなし
業者が勧誘できるかできない。デメリットに言及せずに「両建てできます」と表示することが金商業等府令117条1項26号に該当する日本の金融庁に登録がないため、この行為規制の対象外
両建て時の証拠金8社中7社がMAX方式で相殺。両側に必要なのはDMM FXのみ0%の業者、50%の業者、銘柄で分ける業者、プラットフォームで分ける業者がある(本文の一覧
レバレッジ個人は最大25倍業者ごとに設定(数百倍〜)
追証あり。両建てが崩れて残高がマイナスになれば不足額の入金義務が生じるゼロカット採用業者が多く、規約の範囲内なら入金額までで止まる
取引の無効化・口座凍結金融商品取引業者としての規制と紛争解決機関(指定ADR)の枠組みがある規約上、業者の裁量で取引の無効化・利益の没収・口座凍結ができる(本文の各社条文を参照)

したがって「国内では規制で両建てができないから海外へ」という理由づけは成り立ちません。実際の差は、レバレッジと追証の有無、そして規約違反と判断されたときのリスクの大きさにあります。そしてもうひとつ、本当の違いは「同一口座内」ではなく「複数口座間・複数業者間」にあります。国内8社については今回同一口座内の扱いのみを確認しており、複数口座間の規定は調べていません。一方で海外は10社中8社が複数口座間について明文で言及しています。国内と海外の制度上の違い全般は海外FXと国内FXの違いで詳しく比較しています。

「国内と海外をまたいだ両建て」については、国内側の法令に問題はなくても、海外側の業者の規約に抵触する可能性があります。異業者間の両建てをどう扱うかは業者ごとに違うため、異業者間の両建ての項を必ず確認してください。

両建てを使う場面と、使わない方がよい場面

ここまでの内容をふまえて、実際の判断に落とし込みます。両建ては「損失を止める道具」ではなく「時間を買う道具」である以上、買った時間で何をするかが決まっているときにだけ意味があります。

使う場面|期限と解除条件が決まっているとき

場面やること解除の条件をどう決めるか
指標発表・要人発言をまたぐ発表の直前に同じロットの反対ポジションを持ち、結果が出て方向が定まってから片方を外す時刻で決める。発表から◯分後、値動きが落ち着いた時点で解除する
長期のスワップ狙いを一時的に守るプラススワップを狙って長期保有している買いに、下落局面だけ売りをぶつける価格で決める。想定していたサポートまで戻ったら売りを外す。合計スワップがマイナスになる分のコストは織り込む
決済のタイミングを分散する利益の出ているポジションの一部にだけ反対ポジションを当て、残りは走らせる(部分両建て)ロットで決める。どこまでを固定し、どこから先を伸ばすのかを建てる前に決めておく
週末や連休をまたぐ持ち越しを軽くする窓開けのリスクを避けたいが決済したくない場合に、閉場前にヘッジする期間で決める。週明けの寄り付き後に解除する。ただし業者によっては、市場休止時間帯を悪用する取引(ヘッジを含む)が規約で禁止されている(FXGT 8.8)

共通しているのは、建てる前に解除の条件が決まっていることです。時刻でも価格でもロットでもかまいませんが、決めずに建てた両建てはコストを払いながら判断を先送りするだけになります。週末の持ち越しについては海外FXの土日と週末の持ち越しで、窓開けの実データを含めて解説しています。

使わない方がよい場面|「損切りの代わり」がいちばん多い誤用

  • 損切りしたくないから、とりあえず両建てにする——解除の条件がないため、そのまま塩漬けになります。損切りとの違いは「損失が確定するか、コストを払い続けながら確定を先送りするか」だけで、後者の方が最終的な損失は大きくなります
  • 証拠金に余裕がない状態でヘッジする——両建て時に証拠金が相殺されない業者・プラットフォームでは、ヘッジした瞬間に維持率が半分になります。AXIORYのcTraderのように、同じ業者でもツールを変えただけで必要証拠金が3倍になる例があります
  • マイナススワップの大きい銘柄で長く持つ——両建て中はスワップが両側に発生し、合計はマイナスになりやすいコストです。放置するほど有効証拠金が削られ、最終的にロスカットで両建てが崩れます
  • ナンピンと組み合わせて損失を取り返そうとする——両建てでいったん止めてから同じ方向にナンピンを重ねる形は、固定していたはずの損益を再び拡大させる方向に働きます。両建ては、増えたポジションを整理するための時間をつくる手段であって、ポジションを増やす前提の手段ではありません
  • 複数の口座や複数の業者にまたがる形で組む——本文で見たとおり、10社中8社が複数口座間に、4社が異業者間に、規約や公式ヘルプで言及しています。資金効率のためではなく、規約違反のリスクを負うためにやっていることになります

両建ての代わりに検討できる手段

「両建てにしたい」と感じる場面の多くは、実際には別の手段の方が安く済みます。

やりたいこと両建て代わりの手段
これ以上の損失を止めたいスプレッド2回分+両側スワップを払い続ける。損失は確定しないが減りもしない損切り。損失は確定するが、そこでコストは止まる
リスクを半分にしたい証拠金が相殺されない業者では、逆に維持率が半分になる一部決済でロットを半分にする。証拠金も損益も同時に半分になる
イベントの急変動だけ避けたい反対ポジションでヘッジするいったん決済して、発表後に建て直す。追加コストはヘッジと同じ新規建て1回分のスプレッドで、規約上の論点は発生しない
利益を確保しながら伸ばしたい部分両建てで一部を固定する逆指値を建値や含み益の水準に移す。スワップも証拠金も追加で発生しない

それでも両建てを選ぶ理由があるとすれば、「建値を維持したまま時間だけを稼ぎたい」という一点です。決済して建て直すと建値が変わってしまうため、そこに意味がある場面でだけ、両建てのコストを払う価値があります。

海外FXの両建てに関するよくある質問

海外FXの両建ては禁止されていますか?

MT4・MT5での同一口座内の両建てを禁止している業者は、今回調べた主要10社のなかにはありませんでした。XM・TitanFX・AXIORY・IS6FXの4社は公式に「両建てできます」と明示し、AxiもMT4について「部分・完全いずれのヘッジも認めている」と公式ヘルプに記載しています。ExnessとFXGTは利用規約の本文で両建て時の証拠金の計算方法まで規定しています(HFM・ThreeTrader・BigBossは公式の記載を確認できず、Axiの独自プラットフォームATPだけは公式に「許可されていない」と明記されています)。各社の規約が禁止行為として書いているのは、複数の口座にまたがる両建て、他社との間の両建て、ゼロカットやボーナスの悪用を目的とした両建てなど、市場のリスクを取らずに利益を得ることを狙った形です。詳しくは業者別の一覧をご覧ください。

両建ては必勝法ですか?儲かりますか?

必勝法ではありません。両建てで固定できるのは値動きによる損益だけで、スプレッドは建てた瞬間に2回分が確定し、スワップは買いと売りの両方に発生し続けます。8社の公式スワップ値を集計したところ、23データすべてで買いと売りの合計はマイナスでした(ドル円の中央値は1ロット1日−1,690円)。放置するほどコストだけが積み上がる構造です。金融庁の監督指針も、両建てを「手数料が二重にかかる」「スワップポイントにより逆ざやが生じるおそれがある」「スプレッドを二重に負担する」という理由から「経済合理性を欠くおそれがある取引」と位置づけています。

異業者間の両建てはばれますか?

業者間で顧客の取引履歴を相互に共有する仕組みは、公開情報の範囲では確認できませんでした。ただし、それは「問題にならない」という意味ではありません。IS6FXは利用規約第12条で「2社以上の業者に入金して両建て取引を行う行為」を、FXGTは8.6で「第三者との外部ヘッジ」を、ThreeTraderは9.7で「external hedging」を、それぞれ禁止行為として名指ししています。加えて各社は「疑いがあれば足りる」「当社が信じた場合」を発動条件としており、BigBossは「お客様の意図と相違がある事もございますが、疑いが生じた時点で執行をさせて頂く場合がございます」と公式に明記しています。検知の可否ではなく、規約上どう扱われるかで判断してください。

Exness(エクスネス)では両建て可能ですか?

両建て可能です。Exness(エクスネス)の利用規約は「Hedged Positions(同じ取引口座で建てられた、同一の数量・同一銘柄の買いと売りのポジション)」を正式に定義し、Part Dでヘッジ時の証拠金の計算方法を規定しています。マージンコールの通知が出ている状態でも、当社が認める場合に限り「証拠金を減らすためのヘッジポジション」を建てられるとも書かれています。一方でPart C 2.5は、複数口座の運用や「無リスクの利益」「悪意のヘッジ」を禁止取引手法として列挙しています。同一口座内の通常のヘッジは規約が正面から想定していますが、リスクを取らずに利益を得る設計は禁止類型に当たる、という整理です。

両建てをするとキャッシュバックはどうなりますか?

第三者のキャッシュバックサイトを経由して口座を開設し、自分の相場観で行った取引にキャッシュバックが付くことには、何の問題もありません。問題になるのは、キャッシュバックやIB報酬を得ること自体を目的に、値動きのリスクを取らない取引を反復する形です。XMは利用規約47.4で「cash-back arbitrage(キャッシュバック裁定)」を、Exness はPart C 2.5で「cash-back / bonus arbitrage」と「第三者の手数料を発生させることのみを目的とした取引」を、FXGTは2.6で「cashback arbitrage」を、Axiは6.2(h)で「リベート契約の条件・趣旨から外れた形でリベートを発生させる目的の注文」を、それぞれ明記しています。さらにXMのIntroducer Agreement第3項は「close byおよびmultiple close byで決済された取引」「保有時間が5分以下の取引」を報酬の計算から除外しており、両建てを使った報酬稼ぎはそもそも計上されません。該当すると判断されれば、キャッシュバックが止まるだけでなく、取引の無効化・利益の没収・口座凍結まで規約上の措置に含まれます。

両建てをすると必要証拠金はどうなりますか?

業者と取引プラットフォームによって変わります。MetaTrader 5公式ヘルプは、同じ銘柄の反対方向のポジションについて「2つの証拠金算出方法が可能で、算出方法はブローカーによって決定されます」と説明しています。XMは公式ヘルプでFX・ゴールド・シルバーの両建て証拠金を0%、その他の銘柄を50%としており、FXGTは規約14.11.1で完全にヘッジされた口座では必要証拠金が発生しないと明記しています。AXIORYは公式FAQでMT4/MT5では相殺され、cTraderでは相殺されないと明言しています。同じ業者でもツールが違えば結果が変わるため、口座ごとの確認が必要です。

ボーナスを使った両建てはできますか?

ボーナスを使って複数の口座で両建てし、リスクなく利益を残そうとする形は、各社が名指しで禁止しています。IS6FXは第13条で「ボーナスを使った複数口座での不正な取引」「ボーナスを利用したアービトラージ取引」を、BigBossは「当社が提供するボーナスやゼロカットシステムの盲点を利用したリスク過多な取引」を、FXGTは8.6でボーナス・インセンティブ制度の悪用を挙げており、措置にはボーナスの即時没収と以後すべてのボーナス制度からの除外が含まれます。ボーナスの種類ごとの扱いは海外FXのボーナス両建てで個別に解説しています。

国内FXと海外FXをまたいだ両建てはできますか?

国内側の法令には、顧客が両建てを行うことを禁じる規定はありません。金商業等府令117条1項26号が禁じているのは業者による両建ての勧誘で、名宛人は金融商品取引業者です。ただし海外側の業者の規約に抵触する可能性があります。IS6FXは「2社以上の業者に入金して両建て取引を行う行為」を、FXGTは「第三者との外部ヘッジ」を禁止行為として明記しており、TitanFXは「他業者間でのゼロカット狙い等の両建て取引はゼロカットの対象外」としています。また税制も国内は申告分離課税、海外は総合課税で損益通算ができないため、損益の設計としても想定どおりにならないことがあります(海外FXの税金)。

まとめ|両建ての可否ではなく「何を目的にしているか」で判断する

主要10社の利用規約と公式ヘルプを条番号まで確認した結果、見えてきたのは「両建てという形が禁止されているのではなく、市場のリスクを取らずに利益を得る設計が禁止されている」という一点でした。MT4・MT5での同一口座内の両建てを禁じている業者は10社中1社もなく、一方で複数口座間には8社が、異業者間には4社(うち禁止として挙げているのは3社)が名指しで言及しています。

この記事の要点

  • 両建ては必勝法ではなく、時間を買う手段。値動きの損益は固定できるが、スプレッド2回分・両側のスワップ・証拠金は残り続ける。建てる前に解除の条件を決めていない両建ては、コストを払いながら判断を先送りしているだけ
  • MT4・MT5での同一口座内の両建ては10社中どこも禁止しておらず、複数口座間は8社が、異業者間は4社が規約や公式ヘルプで言及している(同一口座内を公式に「可」と明言しているのは4社+Axiの MT4、3社は記載を確認できず、Axiの独自プラットフォームATPのみ公式に「許可されていない」)。名指しの条文がないことと、やっても問題にならないことは別
  • キャッシュバック・IB報酬を目的にした両建ては、XM 47.4・Exness Part C 2.5・FXGT 2.6が「cash-back arbitrage」を名指しし、Axi 6.2(h)・IS6FX 第12条が「報酬目的の取引」として捕捉している。さらにXMの紹介者規約は「close byで決済した取引」「5分以下の取引」を報酬の計算から除外しており、そもそも成立しない。裁量取引の結果として付くキャッシュバックとは扱いがまったく違う
  • 「ばれない方法」は存在しない。判定は業者の裁量で、疑いがあれば足りると各社が明記しており、説明義務を否定している業者もある。措置は取引の無効化・利益の没収・出金の拒否・全口座の凍結に及ぶ
  • 「国内は金融庁の規制で両建てが制限されている」は不正確。金商業等府令117条1項26号が禁じているのは業者による勧誘で、顧客の取引ではない。金融庁の監督指針も「両建て取引を行うことができる旨を告げることは、直ちに該当するものではない」と明記している

使うかどうかを決めるときの基準は、結局ひとつです。「この両建ては、相場のリスクを取ったうえで時間を稼ぐためのものか。それとも、リスクを取らずに何かを得るためのものか」——後者であれば、条文の名前が何であれ、どの業者の規約にも当たります。前者であれば、多くの業者で通常の取引として扱われます。

そのうえで実際に両建てを使うなら、確認しておきたいのは①自分の口座で両建て時の必要証拠金がどう計算されるか ②使っているのがMT4/MT5/cTraderのどれか ③保有する銘柄の買いと売りのスワップの合計の3つです。この3つが分かっていれば、両建てにいくらのコストを払っているかを自分で計算できます。

業者ごとの条件は各社のページで確認できます。口座をマネチャ経由で開設すると、通常の取引で発生するロットに応じたキャッシュバックが受け取れます(対象銘柄・還元額は業者ごとに異なります)。

両建ての条件を確認したうえで、キャッシュバックが貯まるマネチャ経由で口座開設

マネチャ編集部

この記事を書いた人

マネチャ編集部

マネチャ編集部は、累計200億円以上のキャッシュバック支払い実績を持つ Money Charger の公式編集部です。25社以上の海外FX業者との直接提携を通じて得た一次情報をもとに、ユーザーの取引コスト削減に役立つ情報を発信しています。

この記事を読んで気になったら

1分で登録!

今すぐキャッシュバックをGET

今すぐ無料で登録する →

登録1分・手数料ゼロ。